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逆境の価値と順境3

<前日のブログに続きます>
英語圏の留学先は、日本と比較してオープン、率直、楽天的であることは、
ほとんどの留学生の同意することであると思いますが、
それと同時に、いい加減、大雑把、繊細さに欠ける、気を遣わないなど、
日本の文化で育った人間にとっては、今までの常識を覆す「逆境」が
留学の現場であると思います。
10代の子どもたちにとっての留学は、先日のブログで述べたとおり、
彼らにとって驚きの連続である「逆境」をすなおに受け入れて、
順応するわけですが、その次の段階として、そこでの成長があります。
日本での「順境」のなかでの成長というのは、テストの結果、
あるいはその次の合格という進学結果につながらなければ、
失敗となってしまいますが、英語圏ではすこし状況が違います。
一言でいえば、日本の場合は東大を頂点とした大学進学がゴールですが、
同様にたとえばアメリカの場合、ハーバードを頂点とした、
大学進学がゴールとなり得るかというと、選択肢の幅は日本より
かなり広く、アイビーリーグ校以外にも、かなり豊富に大学進学の
選択肢があると思います。
そもそもアメリカには浪人という概念もなければ、アイビーリーグ進学に
特化した予備校、塾もないと言っていいと思います。
ひいていえば、ボーディングスクールがカレッジプレップと呼ばれる
難関大学への進学に特化した学校ですが、なんとボーディングスクールの
進学指導は、SAT(アメリカ版センター試験)対策が主たる内容ではなく、
授業もSATに関する問題を取り上げて行うなど、あり得ないことです。
これもまた、日本からの留学生にとっては、受験という視点から見れば、
「逆境」ともいえる内容ではないでしょうか。
アメリカのボーディングスクールがなぜSAT対策をしないのか。
せっせと受験競争に勝ち残るためのノウハウを子どもたちに教えることに、
それほど熱心ではないのか。
それは、大学入学のための基礎知識は自己責任において行うという
考え方が徹底しているからだと思います。
言葉だけでなく、大学受験への考え方、そして教育のあり方という逆境に
留学生たちは、とてつもなく驚き、迷い、順応するのに時間はかかりますが、
それも1年くらいです。3-4年で、中等教育を終了する時期には、
自分の意見を持ち、二つの文化の良いところを認識した人にまで
成長し、大学に入学する準備を整えることができると思います。

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