教育の行方 - 1
ことしの夏休みも最後の週になりました。
これから9月に向けて、北半球の学校へと留学生が渡航します。
南半球の生徒たちは、いよいよ来年の4月に向けて、
日本の大学受験がスタートする時期です。
さて、夏休みを終えて2学期を迎える日本にいる生徒たちですが、
近ごろの留学問い合わせで共通している点がいくつか見られます。
まず、小学校の後半から中学校にかけての教育に関する不安です。
一所懸命に来る日も来る日も勉強しているようだが、
どれだけ身についているのだろうか。
週末まで、学校、塾、習いごと、そして学校の行事などを入れると、
子どもが自由になる時間が乏しく、元気そうではない。
これでいいのだろうか。やっと、中学受験を切り抜けても、
果たして、それから大学を目指して、子どもたちはやっていけるのだろうか。
毎日、覚えることの連続だけなら、いつかきっと燃え尽きるだろう。
そもそも、何を目標にして、燃えているのだろう。
燃え尽きる・・・、そのあとが全くみえないではないか。
そうなってからでは遅い。では、今の勉強の流れを変えるには、
どうしたらいいのだろうか。
親の気持ちを代弁するとこのようになるのではないかと思います。
「目標」を持つということは、社会に出てからは大変重要なことに思います。
家庭でも、会社でも、自分の私生活の部分においても、私たちは絶えず、
何かを達成するべく日々を過ごしていると思います。
それら大小の目標が、予定通り達成できればいいのですが、
おおよそ一筋縄ではいきません。
それ故に、考える力が必要になってくるわけですが、
その基礎は当然ながら、教育によって作られます。
誰でも、親であれば、わが子には最良の教育を受けさせたいと思います。
夏休みが終わりに近づいてくると、具体的な留学情報の提供よりも、
現在の教育に対する親の不安に答えるといった
「留学の問い合わせ」の受け答えが多くなっています。
一言でいえば、子どもたちをもっと元気に、もっと覇気を持たせたいという
ことになると思います。
そのために、この日常でいいのだろうかということになると思います。
あるサマースクールを終えて帰国した生徒が、
母さんと共にオフィスにやってきました。
来年は、付属の大学に進学が決まっているのですが、
留学への道を考えてみたいとのことでした。
日本の大学と比べて、アメリカの大学はとても勉強させられます。
徹底して、読み書きの訓練をさせられます。
もしあなたが英語を話せるようになりたいのであれば、日本の大学に行きながら、
夏休みなどを利用した短期研修などで、生活レベルの英語は身につくと思います。
アメリカの大学を卒業するためには、
1年間の英語習得のための期間も必要になるので、5年かかります。
それでも、留学したいですか。
その生徒の解答は「はい」でした。
つづく