☆ボーディングスクール留学 卒業生の実感2
<前日のブログに続きます>
ボーディングスクールでのスポーツ活動が、日本の中学高校のスポーツクラブ活動と根本的に違うことは、今まで数回ブログに書きましたが、改めてそのポイントを卒業生の話をもとに述べます。
ボーディングスクールには体育の授業はありません。PE(Physical Education)という科目のあるボーディングスクールはありません。その代わりに、放課後のスポーツ活動は一年を3期に分けて、そのうちの2期で多くのボーディングスクールが必須としています。第一期は新学期のスタートから11月末の感謝祭まで、第二期は感謝祭後から3月中旬の春休みまで、そして第三期が春休み以降、学年の終了までです。
日本のクラブ活動と異なり、ボーディングスクールでは一期ごとに選択するスポーツの種目が変わります。すなわち、秋のスポーツ、冬のスポーツ、そして春のスポーツというユニットで動きます。夏のスポーツがないのは、夏休みが学年の区切りになっているのに加えて、日本のような単一のスポーツを卒業するまでやり続けるという習慣がないからです。
先日のボーディングスクール卒業生は、スポーツが大変得意で、シーズンごとにバーシティ(一軍)で大活躍をしました。彼女は最終学年の卒業ぎりぎりまでスポーツ活動を続けていました。そして、なんと卒業生のために用意されている卒業前記念旅行に自分のソフトボールチームがリーグ戦で勝ち進めば行かないというのです。ボーディングスクールでのスポーツ活動は、大学受験のための引退はありません。すべて、生徒自身が自分で判断をします。
日本の場合、高校生にとって大学受験は、最優先されますが、ボーディングスクールでは、優先順位を決めるのはあくまでも生徒自身となります。学年にかかわらず生徒が「スポーツ活動」を重視すれば、学校側はそれを当然のこととして認めます。スポーツだけではありません。学校での諸活動においても同様に学年に関係なく、本人の意思が優先順位を決定します。
たとえば、ある生徒がスポーツ優秀、さらにその人気から生徒会長となり、寮生活においては、学校から寮長(Proctor)に任命されたとすると、その生徒の最終学年は、分刻みのスケジュールになる可能性があります。スポーツ活動、生徒会活動、そして寮生活でリーダーシップを発揮することは、大学受験での自己アピールや、学校の先生からの推薦状の内容は、大学側にとってとても魅力的なものとなるでしょうが、土日もスポーツやイベント管理などで、自由時間などなくなってしまうでしょう。
リーダーシップ経験、勉強時間の確保ということを、どのようにマネジメントできるかを判断するのはボーディングスクールにおいてはあくまでも本人なのです。もちろん、生徒の判断を助けるアドバイザーやカレッジカウンセラーも、生徒の判断を助けるためにできる限りの助言をします。このような学習環境のなかで、留学生たちはたくましく成っていきます。