○これからの即戦力人材2
<昨日のブログに続きます>
日本の企業の外資系化が進むというのが、昨日のブログの終わりでしたが、これは、教育のコンサルタントとして私がいろいろな職業の方々と接して得た感想のひとつです。
あるファンドマネージャー職の方が、今の高校生たちが世の中に出るころは、社長がアメリカ人、上司が中国人であっても不思議ではないと言っていました。また、あるIT企業の会長さんは、日本の電機メーカーがなぜ、あっという間に韓国に抜かれてしまったのか、また、日本の自動車産業はなぜ激しい世界との競争の中で生き残っているのか、その理由を現場からの情報を組織が捉え対処する能力の差と言いました。
世界に散らばっているマーケット、その最先端で得られた情報を、どのように分析するかがその社の存亡をも決める時代と前述の会長さんは言います。たとえば、テレビを例にとると、今、マーケットがほしがっているのは、どのような大きさのテレビで、機能的には何が大切にされていて、それから考えると今後はどのような展開になるかということを、現場の人たちはかなり肌で感じてわかっていると言います。
その情報が会社の幹部にもたらされて、次の商品などの重要な決定を行うわけですが、その時にどれほど、末端の情報が尊重されるかが大切だと会長さんは言われました。
人生における価値観や概念は誰にでもあるわけですが、それが仕事の世界で、ある一定の業績を上げていたりすると、それに固執したくなります。それ故に客観的になりづらい。また、技術やいままでのことにとらわれて、現場で起こっていることが見えにくくもあります。
また、現代のような情報化社会では、技術の差は驚くべき早さで追いつかれてしまうものでもあると思います。
その会長さんは、かなりのご年配なのですが、ある取締役の人が、今我々がわが社の入社試験を受けて、何人が合格するだろうかなどと、冗談を言われたそうです。
その言葉が示唆していることは何かと私は思います。若い人たちの能力と技術の礼賛なのでしょうか。あるいは、技術の進歩に対する努力の必要性でしょうか。いずれにしても、会長さんは、中学、高校からの留学にはとても賛成です。大学に行く前に、異質な文化を体験することが、もたらす人間的な広がりと言葉を学ぶことの大切さを強調されます。
今の10代の子どもたちが経験する、就職という視点から見た日本の社会で、もし自分の上司が日本の人でなくても、堂々と対応できる、そんな日本人を一人でも多く輩出したいと私は思います。