☆ ボーディングスクール留学-最強の教育
アメリカのボーディングスクールで8年生を半年ほど経験した生徒がボーディングスクールの教育が日本にもたらされたら「最強の教育」になると言いました。その根拠を考えると、今の日本の教育文化とのコントラストが明らかになります。
日本の教育を中学校2年生まで受け、当然ながら塾や習い事も経験したその生徒から聞く今の日本の教育現場は、私の想像以上にとても保守的でした。先生に叱られないために宿題をやり、先生に怒鳴られたり、場合によっては体罰もあるので授業中居眠りをしない。塾においては、根性棒なるものがあり、理解の良くない生徒ややる気のない生徒は、その棒で叩かれる。
この話を聞く限りにおいては、日本の教育では生徒は受動的であり、管理されているといっても過言ではありません。
その生徒だけでなく、私が接している小学生、中学生は私立、公立を問わず「厳しい」教育環境でいろいろなことをやらされているという印象を受けます。
日本の生徒たちがボーディングスクールに留学した場合、最初に身構えるのは、どんな厳しさがあるのだろうということです。宿題をこなせるだろうか、授業についていけるだろうか、先生や生徒たちは親切なのだろうかなど、これから留学をする生徒はそのような不安を抱えて渡航します。
さて、現地で留学生が経験する学習は、体罰や叱られるということとは無縁です。授業中に怒声を発せられることもなければ、宿題を忘れても、授業中に居眠りが出ても、おおよそ体罰などはあり得ません。そして、学校は、生徒がどうしたら宿題を完成できるかを彼らと一緒に考えます。どこが解らないのか、それを克服するにはどうしたらよいのかを追求するのが、担当教師やアドバイザーの役割と認識しています。
居眠り、授業への不参加についても、先生が考えることの基本は「なぜなのか」ということです。決して、「根性を叩き直す」や、「取り組みが足りない」と指摘することではありません。
宿題忘れや成績不振が長く続けば、チューター(個人教授)をつけるというアドバイスがなされ、授業中の居眠りが続けば、睡眠時間を確保するために早く寝なさいというアドバイスがなされます。
それでも、居眠りや宿題忘れが継続するのであれば、今度は本人のメンタルな部分で問題があるのではないかということになり、専属のカウンセラーとの話し合いがもたれるでしょう。
「なぜ」を追求するのがボーディングスクールのみならず、英語圏の学習文化の大きな特徴といえると思います。