● ニュージーランド留学―その特徴と利点
前日のブログでニュージーランドの中学、高校への留学においては、北米のボーディングスクールのような学校ランキングによる入学難易度はないことを述べました。そのことについて、より詳しく述べたいと思います。
地元では有名な進学率の高い中学、高校はニュージーランドにもあります。しかし、入学難易度が実質的にないということは、入学を希望する留学生に対して、現在のところ受け入れ枠が満たされていないということになります。
ニュージーランドの中学、高校が留学生の受け入れを始めたのは、1990年代半ばのことですから、留学生受け入れの歴史という点からも、北米やイギリスなどには大きく差をつけられています。
また、卒業後の大学進学についても、総合大学はニュージーランド全土に8校しかありません。高校留学後の進路の多様さ、豊富さを考えると、イギリスや北米にはニュージーランドは及びません。
それでもニュージーランド留学には他の英語圏の国にはない利点があります。
第一に現地名門校への留学生の入学が可能です。ニュージーランドにもイギリス教育の伝統と私立中学高校としてのプライドの高い学校は各都市にあります。北米やイギリスのボーディングスクールでは、上位の学校への入学には、ネイティブと同様の英語力を求められますが、ニュージーランドの場合は、このような名門校、あるいは公立でも進学実績の高い都市にある学校が積極的に留学生の受け入れを行っています。
中等教育機関への留学を国策として進めているニュージーランドは、受入れにまだ余裕があります。しっかりした学校選定をすれば、地元では有名な学校で学ぶことが可能です。
第二にニュージーランドの教育制度においては、高校3年間はほぼ生徒が希望する科目を選択して学習カリキュラムを組むことが可能です。入試システムが日本とは全く異なるニュージーランドでは、センター試験や個別の大学が実施する入試がありません。高校を終了するためのNCEAについては、改めて述べますが、自分のやりたいことが「選択できる」という点においては、日本からの留学生にとっては、かなり革新的な教育であると思います。
第三にニュージーランドの学校は、留学生受け入れのために必要な機能と人が一つひとつの学校に集約されています。勉強で困ったことがあれば、各担当の先生へ、ホームステイ、あるいは寮での問題点は住居手配を担当する責任者に、そして更なる問題点があれば、留学生責任者に相談することが可能です。留学生をお世話する機能がすべて学校に集約されているということは、留学生にとってとても重要かつ必要ともいえる機能です。
つづく