○ 留学のための英語力 ― 習得までのプロセス
<前日のブログに続きます>
ESLクラスは2年間の限定つきと先日のブログで述べました。その期間で完結させなければならない英語力はどのようにして習得できるのでしょうか。「ある時、突然に英語が理解できるようになった」という留学生もいますし、「(英語力習得の)特定の期日を限定するのは難しく、気が付いてみたら話せるようになっていた」という留学体験談もよく聞きます。いずれにしても、いつまでも留学生として保護されていてはいけません。なるべく早く、英語のネイティブスピーカーと一緒に議論もできて、クラスの輪の中に参加しなければなりません。
その要素として最も必要なのが、英語に対する知識よりも自分の中の意識です。「今は発言すべき時ではない」、「これを言ったらばかだと思われるかもしれない」といった強迫観念が留学生にはついてまわります。これを払拭できないと、次のステップになかなか進めないのです。
日本の生徒はとてもまじめで勤勉なので、一所懸命に予習復習をして、どうにかクラスについていこうとするのですが、時間は限定されていて、無制限に勉強できるわけではありません。それでも、彼らの傾向として自助努力によって学習問題は解決できる、あるいはしなければならないと思う傾向が日本人留学生にはあります。当然のことながら、これは思い込みだけで、結局、宿題も、小テストも、クラス態度もよい評価を得られず留学当初の成績はかなり悪いものとなるのが一般的です。
インターナショナルスクールや、小学校時代に海外での学校経験のある留学生は勉強に対する概念も、英語圏の学習文化も心得ているために、このような悩みを持つことはなく、かなりスムーズに留学生活をスタートすることができると言えます。
日本人留学生に転機が訪れるのは、3カ月から半年くらいの時期になります。どうしても自力だけでは、この課題を乗り切ることはできないと思いきれた時に、彼らは進歩するのです。周囲の友だちや先生の力を応用するというアイディアを徹底的に追求し始めるわけです。ノートを貸してもらう、授業の要点を聞く、解らない所をメモしておいて質問する、さらには学校が本来持っている留学生サポート機能をどうにか活用する方法を考える等、アイディアの構築が留学生には求められます。
それで、どうにかクラスに追いついて、学習の質を高めるのは、本人の学習に対する意欲、意地、プライドなどの意識になるわけです。
つづく
つづく