ボーディングスクール - 得意科目の捉え方
これからジュニアボーディングスクールに出願する生徒から、
「得意科目の評価が下がってしまったが、得意科目として挙げても良いかどうか」
という質問を受けました。
答えは、YES です。
一般にアジアの国々では、試験による生徒選抜が主流ですが、アメリカのボーディングスクールおよび大学はそれが主流ではありません。学力を計る水準テスト、学校での成績、学業以外の特性、そして志願者の個性を示す数項目の作文による総合評価によって合否が決定されます。
冒頭の質問は、日本受験の現実から考えれば、得意科目イコール高成績という考え方によると思いますが、日本の歴史の成績は普通だが、歴史小説は好きで、司馬遼太郎の作品はかなり読んだという生徒は沢山いるのではないでしょうか。その生徒たちが、書く「私のベストブック」という作文が、入試審査官を感動させるかもしれません。
歴史科目だけでなく、他の文化系、理科系の科目でも、このような現象は起こる可能性は十分に考えられると思います。
アメリカの入試で問われるのは、あなたの学力だけではありません。あなたのすべてが問われると言ってよく、それをどこに力を入れて自己表現をするかということがボーディングスクールや私立の大学では極めて重要な要素となり得ます。
好きな分野でこそ生徒は輝ける、豊かな発想ができる、集中力も倍増するなどと考えるほうが、勉強そのものも楽しくならないでしょうか。もちろん、ボーディングスクール方式の受験が正しい、そして日本が正しくないというものではありません。それぞれに長所、短所は見いだせます。したがって、どちらの教育が自分に合っているかということを冷静に分析する必要があると思います。
さて、冒頭の質問をした生徒ですが、7項目のエッセイを完成するにあたり、本人と話しを進めていくと、今まで日本式受験の発想がボーディングスクールに変わっていき、それが厭ではないようです。
意欲をもって取り組むことで、本人のベストの結果を出すことを期待しています。