★アメリカボーディングスクール 授業・成績について4
<土曜日のブログに続きます>
ボーディングスクールでのクラスの授業の進め方の日本の学校との違いを先週土曜日のブログで述べました。授業の違いのみならず、教科書の使い方も日本の学校とボーディングスクールではかなり違います。
ボーディングスクール、そしてアメリカの中等教育機関の教科書はそのボリュームが大変に大きいのです。歴史、理科、数学など主要科目の教科書はみな3センチくらいの厚みがあります。
そのすべての内容をどのようにして網羅するのでしょうか。また、教科書にふんだんな情報量があるなかで、果たしてディスカッションに時間を割いたり、生徒の質問にいちいち答えたりしていたら、先生が教えるべきことがすべて授業でカバーできるのでしょうか。
ボーディングスクールにおいては、教科書というのは、いわゆるリファレンスブック(参照本)であるようです。また、教科書の内容をすべて教えるのではなく、あくまでもコースの内容を決めるのは、先生であるようです。少なくとも、教えることの具体的な内容の指示は日本よりははるかに緩やかであると思います。
ディスカッションやテーマを決めた課題研究、そしてプレゼンテーションなどで生徒のやる気を刺激し、教科の内容に興味を持たせ、大きなテーマを取り上げて掘り下げることで、それに付随することや、前後関係などは、極力生徒自身に学習させる方式です。これを高校3年生の最後の学期まで続けて行います。
ボーディングスクールにおいては、試験に出る内容だから覚えるのではなく、「なぜ、どうして」を追求することで、学習の自主性や主体性を養うということになります。受験対策を特化するのではなく、学習に対する姿勢を考えるボーディングスクール教育ですが、その理由は大学入試の方式にあるように思います。
アメリカの場合、大学入試はすべてAO方式であることはすでに何度か過去のブログで取り上げました。そのシステムで注目すべきなのは、SATという学力水準テストにあると私は思っています。これは、母国語と数学の基本知識を問うもので、3つのセクションに分かれています。総合的な英語力、書く力、そして数学力が試されます。すべての受験者に共通する試験ですから、難問、奇問は少なく、あくまでもこれだけは知っていなくてはいけないという知識を問うものです。英語の語彙に関しては、普段の生活では使わないような単語や表現もあり、SATでよい点数を目指すためには、それ専用の学習も必ず必要となります。
つづく