★アメリカボーディングスクールの活用方法6
<前日のブログに続きます>
使える英語の習得について日本の中等教育が、今の社会が必要とする方向には残念ながら進んでいないというのが先日のブログで私が言いたかったことです。では、標題のボーディングスクールの活用方法と日本の英語教育がどのように結びつくかということですが、生涯役に立つ使える英語が学びたければ、そのもっとも合理的な方法が中学・高校時代に海外に行くことであると私は言いたいのです。
本題から外れますが、ボーディングスクールは手作りの教育としては、とてもうまくできていますが、その費用は高額です。年間に6万アメリカドルを子どもの教育費に充てられ、さらに渡航費用など雑費で100万円ほど必要な教育を受けられるのは、アメリカ全世帯の5%以下と言われています。
自由と可能性を愛するアメリカ文化は、ボーディングスクール全体で3分の1に相当する生徒が奨学金や学資援助を受けて在学するという教育文化を生み出しました。しかし、留学生が初年度から奨学金あるいは、資金援助を受けられるというのはまれなケースです。
実用英語に関しての中学・高校時代の留学はボーディングスクールだけではないのですが、より費用負担が軽く、英語習得に最短距離の留学については、またの機会に取りあげます。本題に戻ります。
中学校からの留学でよく懸念される日本人アイデンティティーの喪失については、私はその主たる教育を行っているのは、家族であると思っています。ボーディングスクールの場合、秋の感謝祭、冬休み、春休み、夏休みと1年に4回は帰国が可能です。また、夏休みは3か月弱あるため、日本でこの期間アルバイトや集中的な学習も可能です。
ボーディングスクール留学では、家族とのコミュニケーションや結びつきはかなり密接に行われているのが実際です。ですから、まとまった休みの期間には日本の小説や論説などを読み、漢字学習をするなど本人の意識をある程度日本に向けるように親がリードすることが大切です。
留学先で本人はいろいろな困難を克服しなければなりません。その一つひとつの問題、課題に含まれる解決のためのコンセプトは、「現地あるいは相手に同化する」ことではありません。自分の持っている今までの総合的な「文化」とかれらの「文化」の違いを認識することから本人の精神的成長が始まります。双方の文化、習慣の良い点、悪い点を対比して、相手を受け入れる、自分が歩み寄るための方法を考えるという精神の作業が、これからの社会では必須事項ではないでしょうか。この適応プロセスを繰返して行うことが、留学の目的であるといっても過言ではないと思います。
つづく