★アメリカボーディングスクールの活用方法6
<前日のブログに続きます>
先週はボーディングスクールを活用するために、その学校としての魅力を述べてきました。今回はそれを使う側の立場でボーディングスクールの活用方法を考えてみたいと思います。
第一に留学する年齢と学習習熟度、そして社会的適応力の関係を考えます。言葉を覚えるという観点からすれば、若いに越したことはありません。その理由はひとまず置くとして、日本の場合であれば、小学校終了時くらいが言葉を素早く覚え、現地の環境に適応し、なおかつ日本的価値観も維持するためにベストといえると私は思っています。
「日本人としてアイデンティティーを無くすのでは・・・」と早期留学への疑問と不安を持つ保護者の方がたくさんいます。また、先生方にもこの考えはあると思います。では、中学、高校の間に日本人としてどのようなアイデンティティーが確立するのでしょうか。
日本人教育なり、自己確立のために特化した教育は日本の中学、高校では行われていません。道徳教育、倫理教育は受験に直接役立たないためか、積極的に中等教育で取り上げられているとは思われません。
むしろ、英語教育の重要性か過去にはなかったほどの盛り上がりを見せています。
それは、社会のニーズを反映しているからでしょう。これからの就職を考える際に、「語学ができないと話ならない」というのが、採用する側の本音であり、それを受けて、大学でも実用英語に熱心に取り組まざるを得ません。
問題は、使える英語が中等教育でうまく機能していないところです。
その理由はとてもシンプルで明確です。大学入試の英語が使える英語になっていないからです。では入試の英語はどんな英語なのでしょうか。一言でいうと、知識を問う問題です。知っているか、いないかが問われるために、生徒たちは一所懸命に英語を勉強しますが、いつのまにか、コミュニケーションの道具としての役割が薄れてしまい、テストで点数のとれる英語知識に置き換えられてしまいます。
さらには、一クラス40名という状況では、使える英語を教えられません。英語圏の語学クラスは10名前後で行われています。私が見学した、スペイン語、中国語のクラスはともに授業中は原則それらの言語で行われます。使えることから始める、ことばに興味を持つことから始めるという、当たり前のことが実践されています。
つづく