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★お母さんの役割7 教育の先を読む3

<前日のブログに続きます>
これからの教育という視点をもって、世界の教育市場を考えてみてください。子どもたちの好奇心を刺激し、彼らの潜在能力を引き出すために、学ぶことの素晴らしさを実践している教育機関があるとすれば、世界が注目していいはずです。そして今、猛烈な勢いでアメリカのボーディングスクールに中国から志願者が殺到しています。
中国籍の生徒のお世話をしていて、日本の家族と違うのは、彼らの広範囲なネットワークです。親戚、縁者のみならず、友人にボーディングスクールで子どもを学ばせている人たちが多数います。日本と違って、多様な民族、多様な気候、そして多様な文化を持つ中国ですから、「教育は世界で選ぶ」ということへの抵抗が日本よりもはるかに低いと思います。
経済の世界と違って、英語圏の国々の留学生受け入れには、受け手側にある程度の節度、プライド、そして友愛の精神があります。需要と供給のバランスから言えば、ボーディングスクールに関しては、中国マーケットは売り手市場なわけですが、無制限に売る、すなわち受け入れるということはありません。中国人受け入れ枠をほとんどのボーディングスクールしっかりと決めています。中国人志願者にとって、ボーディングスクール入学は、ランク3台の学校においても、10年生からの受け入れでTOEFLが70点くらい必要なのが現状です。2、3年前まではTOEFLどころか、SLEPさえ提出の必要がなかった学校が、今中国人によって入学難易度が上げられています。
80年代の半ばから後半にかけて、日本の経済成長が世界ナンバーワンになった時、日本の教育界、特に中等教育界は、世界に目を向けることに熱心ではありませんでした。ボーディングスクールへの留学が確かにこの時期、それ以前に比較して数倍に伸びたことは事実でしょうが、ランク4、5の学校への留学生が劇的に増えたわけではありません。
むしろ、日本国内でいい大学に入学することが、ベストな選択であると信じられていたと思います。ところが、経済的有頂天は5年と持ちませんでした。それでも、中等教育の世界は森閑と静まり返っていて、危機感は希薄です。
教育の先を読むということは、社会的先行きと人間的な面という両面が無ければ、陳腐なものになってしまうと私は思います。
グローバル社会に対応する人というのは、地球規模でものを考えることができることでしょうが、その基本として、自分自身の問題を解決できなくてはいけません。いくら知識があっても、博学でも、自分の問題が解決できないような不安定な人に、グローバル社会が担えるわけがありません。
私は、これからの教育に必要なのは、広い世界のなかで「今」を必死にいきることだと思っています。「未来」を確保するために、「今」を限定するのは、教育の真髄ではないと思います。
つづく

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