★競争社会と教育2
<先日のブログに続きます>
スポーツと芸術(音楽、絵画、デザイン、演劇、映像、ダンスなどの広範なアート全般)を上手に中等教育のなかで生かしているボーディングスクールに世界が注目しています。今、もっとも熱く彼らの教育を見つめているのは、中国ですがおそらく新興勢力のBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、)の国々もボーディングスクールへの留学を積極的に進めると思います。それが、グローバルスタンダードに合致する教育だからです。
日本の教育システムのなかでも、参考にできることは、ぜひ存分にとりいれてもらいたいと私は思います。特に、フェアーな競争という概念を中等教育時代に完成することはとても重要であると思います。なぜならば、実社会にでれば、競い合う、より良いものを考え、作り出すということは、当たり前のことだからです。
日本では、個人間の競争があいまいにされて、組織の一員としての協調や調和が尊重される傾向があると思います。日本が成長過程にあった時は、それでよかったのだと思います。しかし、過去のような成長は、世界の情勢のなかでどう考えても望めないなかで、そのような価値観のまま組織を維持することが難しくなっているのではないでしょうか。
子どもたちの可能性を学力という一点に集中して考えるから、問題なのだと思います。多様性や個性を教育の場で生かすということは、自分という個がある程度完成しないととてもできることではないと思います。個が完成するということは、中等教育ではなく、人が一生をかけて到達されるべき目標であるわけですが、一言でいえば、自分らしさです。その自分らしさを学力だけに求めて、それが大学受験に直結する。そして、成績順に進路が決まっていき、アドバイスをするほうも、成績の良い生徒には、個人の意思の前に偏差値ランキングによる大学を勧める。
このシステムは多様性や個性と正反対ですから、これからのグローバルスタンダードからみればとても危ういと思います。
多様性を認め、個性を発揮するために絶対に必要なのは、個人の自分への自信であると思います。その自信を知識だけで作り上げようとするから、問題が大きくなるのではないでしょうか。
中等教育課程において、いろいろなことにチャレンジしてみてこそ、そのなかから、自分がしたいこと、自分が納得できること、満足できることがうまれてくるのではないでしょうか。それ故に、広範な知識習得、すなわち勉強にも興味がもててくるのではないかと思います。
つづく