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★ボーディングスクール留学 ― 能力の伸ばし方2

<前日のブログに続きます>
10代なかばの留学生が1年余りで生活英語を習得するという事実を、私は「無限の能力」の原点としました。「それは、大袈裟。誰にでもできること、当たり前のことであって、『無限の能力』などというのは誇張だ」という意見もあると思います。
私が論じたいのは、無限の能力ということのスーパーパワー的な、あるいは超人的なミラクルとしての定義ではなく、それぞれの子供たち、一人ひとりに与えられた可能性を追求する機会の無限性です。「やればできる」ということを、実感として、子供たちにどのようにしたら定着させることができるでしょうか。どうしたら、無理難題に対して、チャレンジする精神を持たせてあげられるでしょうか。もし、これができれば、彼らは文字どおり無限ともいえる能力を持つことになると思うのです。無限の能力、それはコンピュータと同じくらい早く計算できるとか、100メートルを9秒で走るとかという物理的なことを私は意味していません。
一言でいえば、彼らの教育的自立こそが無限の能力です。
私がお世話する生徒の大多数は純粋に日本での教育を受けてきた子供たちです。彼らの特質は勤勉であること、与えられたことに対して素直に受け入れることです。これらはまさに「特質」といえるものです。しかし、この特質を純粋に培養しただけでは、コミュニケーション能力、問題解決力に結びつかないと思うのです。自分で考え、自分で推論し、思考錯誤をし、情報を集め、仮説をたてて、実行できるといった主体性、自主性は英語圏の教育のほうが伸ばしやすい環境にあると思います。
英語圏の文化というのは、日本とは真逆に自主性や主体性を重んじる傾向にあります。社会がそうなっていますから、教育にも当然それは反映されます。彼らは相手がだれであろうとしっかりと自分を主張します。なぜを追究したり、推論したりすることも得意です。ボーディングスクールの授業では、生徒が自由に発言し、授業中であってもトイレに立つ、先生の話を遮る、生徒同士の議論で盛り上がるなどは当たり前です。それが成り立つくらいにひとクラスが小人数です。また、先生と生徒の間柄も、同じ敷地内に住み、食事も一緒にとるなど、親しくならないほうがおかしい状況なのです。
ボーディングスクールに入った日本からの留学生は日本の学校とのあまりの違いに仰天し、唖然とし、おそらくは最初の1-2週間は、無限の能力など思いもつかない混沌のなかで過ごすことになります。
つづく

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