★ボーディングスクール留学 ― 能力の伸ばし方
<前日のブログに続きます>
ボーディングスクールと日本の学校を比較した場合、その休みの多さと教育の内容、そしてグローバル社会との関連について考えるところで前日のブログを終えました。
年間5か月あまりも休みのあるボーディングスクールがもし、暗記主体の教育を行っているとすれば、とうの昔につぶれていたと私は思います。彼らの教育の基本的な方法として、「生徒のやる気に火をつける」ということが挙げられます。「日本とかわらないではないか」と思われるひとも多いと思います。ところが、現実はそれほど単純なものではありません。
留学を控えた生徒に英語指導をしていてわかるのですが、ほとんどの生徒が英語を勉強しなければならないことを理解しているにもかかわらず、具体的なアクションが起こせないのです。
日本の場合、勉強に関しては、生徒が自主的に考えなくても、なぜという疑問を持たなくても、知的好奇心を刺激しなくても、将来の夢や目標を持たなくても、自動的にやるべきことは与えられ、それに対処する方法が細かく指導され、さらに先へ先へとやるべきことがはっきりと「示される」ようになっているようです。そのような教育の「ライン」に乗ってきた生徒に、「留学したら英語の読み書きが大切だから、今のうちから勉強を始めてください」と本人や親に伝えても、「わかりました」とはいうものの、「読み書きを教えてくれる塾はどこがいいでしょうか」ということになります。
留学の効用でもっとも大きなものは、今までの「受け身教育」の流れを180度転換して、自主的教育にスイッチを切り替えることにあるのではないかと私は考えています。
日本では、自主的な教育は大学生になるまではあまり見えてこないのです。さらにいえば、大学生になっても指示待ち、受け身的な姿勢はなかなか治らないのではないかと思います。いままで私がお世話した生徒たちは、留学準備のための英語学習に「自主的」には取り組めていないのが現状です。
このような状況のなかでも、子供たちの能力は無限であると私は信じて疑いません。今まで私は、「無限の能力」を確信させられる例をたくさん見てきたからそのように言えます。10代半ばのまるで英語の話せない生徒が一年くらいの間に、生活に困らない英語力を獲得する―このことが無限の能力の一端を示していないでしょうか。この原点からさまざまな形での「応用」が可能であると私は思います。
つづく