留学コンシェルジュ

★小中高留学 教育を変えることへの取り組み 日本の私立高校

<前日のブログに続きます>
2000年が始まったころ、ある私立高校の校長先生をボーディングスクール見学に私はお連れしたことがあります。副校長先生が英語圏の教育に大変関心のある方で、まずは学校の長に感動してもらうことで、その学校の国際化に点火しようという試みでした。
私はランク3ランク4、そしてランク5のボーディングスクールを校長先生に見てもらうだけでなく、それぞれのボーディングスクールのディレクターオブアドミッション、そして学校のマネジメントに携わる人、すなわち校長や副校長などとの意見交換の場ももちろんセットしました。
広大な敷地に展開するボーディングスクールに、日本からの訪問者はみな感動するというのが私の常識だったのですが、私がお連れした校長先生は、「うわぁ・・・・」という驚きがまったくといっていいほど見られません。同行した秘書の方は、四六時中移動の車のなかでスケジュール表を見ていました。
チョート(Choate Rosemary Hall)、アンドーバー(Philips Academy at Andover)などは、日本の中堅大学並みの施設、教授陣を誇るのみならず、その多彩な選択科目、学習内容などに日本からの先生はわくわくする様子や現地の先生たちとの活発な意見交換が行われると、私は想像していました。しかし、残念なことに、日本側からの質問はほとんどない状況でした。
帰国後、副校長先生から学校訪問の印象を伺ったのですが、なんと「英語を学ぶのであれば、現地経費がボーディングスクールの半分以下のニュージーランドのほうがいい」ということだったそうです。
私が残念だったのは、校長先生と副校長先生との英語圏の学校に対する考え方が一致していないということでした。その違い故に、アメリカボーディングスクールとニュージーランドの公立高校+ホームステイでの教育が同じように捉えられている、すなわち英語習得という観点からいえば、「安いほうがいい」ということです。
なぜ、ボーディングスクールでは、ひとクラスが15名以下の授業が行われているか、体育、芸術に対して、なぜ徹底して設備を充実させているか、子どもたちの個性を生かし、大学入試よりもレンジがはるかに長い人生に対する目的をも見つける手掛かりを学校が提供するためには何が必要か、人のために何かをすることが結局自分に返ってくるという社会の原則を理解するような教育など、その選択肢はできれば世界中にあったほうがいいと私は思います。
留学費用が安い、高いというのは、最終的にそれを選択する留学生とその家族が決定すればいいことではないかと私は考えています。
(つづく)

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