日曜コラム スポーツのご縁で・・・ 美智子さま
先週の日曜コラムは、テニスフリークの私の気づきを紹介させていただきました。
うれしいことに、あるテニス好きのお母さんから
「タマシュウ、そのとおり」というご意見をいただきました。
テニスだけでなく、野球、サッカー、スカッシュ、ゴルフなど
おおよそ球技はみな、最後までボールを見ることが基本であるというのが、
私とそのお母さんの結論です。
それができないのは、自分の欲が先行してしまうからです―ということで
盛り上がりました。球技は相手よりも実は自分との戦いですね。
今でこそ、一日平均すれば1時間くらいは運動をしている私ですが、
20代から40代にかけては、それほどまでには
スポーツフリークではなかったと思います。
人の生理としては当然のことなのでしょうが、
一日に食べる量は20代の半分くらいになりました。
しかし、体重はそれでも決して減りません。
むしろ気をつけていないとすぐに増えます。
剣道、テニスともに体のキレを維持するためにも食べることと、
運動のバランスには気を配りたいと思います。
そして、楽しく、無理なく体を動かすことで、
体だけでなく、こころも豊かになると私はスポーツをとらえています。
さて、今日の表題の件です。
今年の初夏から始めた皇居一周マラソンですが、
週に2回くらいのペースで続けています。
先週の木曜日のことですが、桜田門の西側にある半蔵門にさしかかった時、
数台の白バイが門から出てきました。
「もしかして・・・」と思っていると、黒い数台の大きなセダンに続いて、
プレジデントに乗っていたのは、陛下と美智子さまでした。
窓をいっぱいに開け、そこに身を寄せて、にこやかに手をふりながら
美智子さまは周囲の人々にご挨拶をされていました。
若い人たちは美智子さまに手を振っていましたが、
私は走るのを完全停止して、咄嗟に礼をしました。
私の世代は天皇、皇后に手を振ることはおそらく
できないのではないかと思います。
どこかでそのように教育されたのかもしれません。
あるいは、今まで自分が学んできた「日本」、その国民の象徴的存在である
人に対する意識がそうさせるのかもしれません。
アメリカ留学から帰国した20代半ばの時は、
テレビで水戸黄門を見て、同じ人間が立場を明かした途端に、
地面にひれ伏すという行為にとてつもない違和感があったのですが、
あれから31年、民主主義の日本で皇后さまを、目前で拝見して、
「おなじ人間だから」といって手を振る気にはとてもなれません。
年とともに精神は変化するものだとつくづく思いました。
皇居の周囲を昼に走ることができることに私は感謝しています。
そして、美智子さまを拝見できて、これもスポーツのご縁と嬉しく思っています。
これからも無理なく、元気でいるために、感謝の気持ちで
スポーツを続けたいと思います。