★ボーディングスクール留学 留学適齢期6
<前日のブログに続きます>
8日のブログで留学に最適な年齢を、私は12歳から14歳としながらも、それが実行できない要素を挙げました。今日はそのなかから、「日本に対する知識が不十分のまま留学はできない」ということについて考えてみたいと思います。
日本に対する知識というのは、留学する本人が本国について持っている情報の多さということではなく、文化、習慣など社会性の定着度であると思います。いわば、日常の生活ノウハウが確定しないまま、親元をはなれて精神的自立は早すぎる、日本人としてアイデンティティーを喪失してしまうのではないかという懸念から、高校生あるいは大学生になってからの留学がいいとする考え方です。
もし、留学した本人が渡航以降、日本とのかかわりを持たないのであれば、明らかに日本で身につけた文化、習慣は失われるかあるいは、減少していくでしょうが、ボーディングスクールへの留学においては、少なくとも一年のうち3か月から4カ月は日本で過ごすことになります。すなわち、夏休みが6月上旬から9月上旬まであります。冬休みは12月中旬から、1月初めまで、春休みが3月から4月にかけて2週間はあります。さらに11月下旬の感謝祭は10日あまりの休みがあるのです。
ボーディングスクール留学生たちは、上記の期間、学校寮も閉じられますから、原則として帰国します。それでも、留学生たちはしっかり英語を覚え、寮生活に適応し、2年もたてば、成長の早い生徒はESL(留学生用英語クラス)を完全に終了して、現地の生徒と同等に学校生活を行うようになります。もちろん、英語力の伸び方は留学生によって個人差がありますが、私の知る限り、12歳から15歳にかけて留学した生徒で、日本語が不自由になった生徒はいませんし、私たちの日常の挨拶の礼が握手に変わることもありません。
「ボーディングスクールは休みが多すぎるからホームステイにする」という留学希望のご家族は、結局私がお世話することはないので、その実際はわかりませんが、すくなくてもボーディングスクールに関しては、寮が閉じる休みを上手に活用することで、日本との物理的、精神的繋がりは十分に保てます。
日本の2倍以上あるボーディングスクールの夏休みを利用して、私は留学生たちに日本でアルバイトをすること、あるいはボランティア活動をすることを勧めています。その理由は、社会との繋がりを通して、子どもたちは、自分に役に立つ生き方の基本ルールを学ぶことができるからです。
親が日本にいて、ボーディングスクールで寮生活を子どもが行う場合、ホームベースはあくまでも日本です。学習という特定の目的のために、「アウェイ」で学ぶわけですから、それを実行する本人の生き方の基本は決して払拭されることはありません。むしろ、アウェイでホームのありがたさ、尊さを十分に感じることができると私は確信します。