★ボーディングスクール留学 留学適齢期2
<先週土曜日のブログに続きます>
ボーディングスクールに留学する時期はいつがいいのかということを考える時、その基本となるのは家族の意識の充実です。したがって、親の教育に対する関心とともに、今までの日本の常識に捉われないということも大切です。
本当のことがはっきりせず、イメージが先行する例として、義務教育と留学の関係が挙げられます。
義務教育を終えないと留学できないということはありません。
義務教育は日本で終了すべきという考える人はたくさんいると思います。しかし、なぜそうしないといけないかということについて、はっきりとした見解を持っていり人は少ないようです。
親の仕事の関係で、海外で生活しなければならない状況の家族で、日本人学校のない海外の主要都市以外のところに移り住まなければならない家族は、子どもが義務教育の状況下であっても、それが達成できないことがあります。中学校以上からの単身留学においては、英語力の習得を考えるとベストな時期と言えます。
もし、義務教育というのが、社会人としての必須知識習得にあるとすれば、知識習得方法が多様化しているのが現代です。そして、「知識」そのものの価値がとわれているのも現代の顕著な傾向と言えないでしょうか。
知っているだけではダメなのだと思います。現代は知識よりも、発想すること、着眼点、思考方法が重要になってきました。
中学校時代というのは、子どもたちが豊かに自分の能力を伸ばせる時です。もちろん、学力だけではありません。芸術に関連することへの関心、スポーツに関しても身体の柔軟性とその物理的な力は伸びていく可能性が十分にあります。そのような時に、知識習得だけに重点が置かれてしまうと、いつの間にか覚えるという作業が、学習の本質と子どもたちに勘違いされてしまう可能性があります。それが、さまざまな形のテストとなり、特定の分野での競争に発展すると、結果的に、知ることの範囲は拡大されますが、その多くの部分は、社会生活と乖離した単なる知識にしかすぎません。
そのような環境下で、学校-塾-家庭-学校という単調ともいえる日々の時間の過ごし方をしていると、タイムマネジメントの概念がなくなってしまいます。時間を有効につかい、やるべきことを一日に配分するということを、本来は子どものうちに学ぶべきですが、塾がおそくなるから親が迎えに行く、宿題、課題、テストの準備で忙しいから、家の手伝いはなしなどということが、当り前になれば、ハングリーさ、学習意欲、好奇心など、本来子どもから大人に向かう途中で、高度に練り上げられるべき精神性が鈍化してしまいます。
本来の義務教育は、知識のみならず、成長期にある子どもたちの社会性を包括した内容であるべきではないでしょうか。故に、義務教育の概念も世界で選択されていいのではないかと私は信じています。
(つづく)