★ボーディングスクール留学 留学適齢期
ボーディングスクールへの留学は、小学校六年から中学校1年くらいが最適と私は考えています。その理由は、英語力の習得がしやすい時期であることが第一、さらにそれに関連しますが、留学する本人の新たな環境への柔軟性という点が挙げられます。
それに対して、一般的な反論は以下のとおりです。
・物ごころもつかないうちに留学させるのは無謀
・義務教育を終えずに留学することは本人の学歴に不利
・中学までは親元で過ごすのが良い
・留学に対する不確定要素が多すぎる
・日本に対する知識が不十分
・英語力がないので留学は無理
学力不足、社会的に未成熟、そして既存のシステム優先ということで、中学時代の留学などは、時期尚早となるわけですが、私はそのように考える教育専門家の人たちと真正面から議論をしてみたいといつも思っています。
その理由は、子どもの可能性の追求と家族の絆というかけがえのない価値観と中等教育のバランスこそが、これからの日本の希望であることを広く世の中の人に知ってもらいたいからです。可能性を追求するために本人の新たなる環境への不適応というリスクがありますが、年齢が若ければ若いほど、こころがまっさらであり、そのキャンバスにどのような絵も描けるのです。
「自己のアイデンティティーが危機にさらされる」
という反論もあります。留学したままほっておけばそうなるかもしれません。しかし、留学したわが子をほっておく親はいません。また、ボーディングスクールも、預かった子どもたちを放任教育するようなことはありません。無関心が存在しないところに、アイデンティティーの危機は起こりようがないのです。
子どもたちにとって、国や文化を超えて大切なもの、それは彼らへの愛情に他なりません。ボーディングスクールでは、生徒への愛情は、彼らの良いところを認めることによって表現されるといっていいと思います。悪いところを、ビシビシと是正するのではなく、良いところを見つけることこそが、ボーディングスクールの使命といえます。
子どもたちが安心できるところ、それゆえに、彼らのこころのキャンバスに学習という高度な精神活動が促されると思います。
アイデンティティーが失われることの例として、アメリカナイズ(あるいはウエスタナイズ)されたという表現があります。しかし、その人たちの置かれた環境を個々に検証すれば、その理由はおのずと明かされると思います。そして、その人たちは、自分のなかで起こるアメリカナイズを理解した上で、自分の人生を生きているのであれば、生き方の多様性として許容の範囲であると私は思います。
つづく