ボーディングスクールの留学生グループ
<前日のブログに続きます>
留学中の日本人同士、本来であれば、お互いの目的であるところの中等教育を終了してその次の高等教育への準備のために協力すべきですが、現実はグループ内での人間関係に悩む生徒もいます。
気遣いが希薄であり意見が合わない時は、話をして解決をすることが当たり前な欧米文化を学びながら、日本人と接する時は、気遣いを強要させられるというのは合理的ではありません。当然、その当事者は悩むわけですが、留学先において、この問題を先生に相談することは極めて困難です。その理由は、先生自身が気遣いとはどのようなことなのかを理解しないからです。
今までの自身の経験から考えると、転校を希望する留学生の半分は日本人同士の人間関係でのトラブルが原因となっています。
一般的にジュニアボーディングスクールでの日本人留学生は年齢も若く、異文化への適応も早いためその人間関係はアメリカ人的のように思います。お互いをファーストネームで呼び合い、おおよそ先輩、後輩という区別は明確でなく、昼食時も学校によって席を決められていることが多いので、国ごとに固まるということもありません。
高校になると、精神年齢も高くなり、異文化の中にあっても日本人同士は、苗字で呼び合い、先輩、後輩の区別もつけるようになる傾向があります。また、高校は食事の時の席は自由なところが多いために、国ごとに集まっての食事になることも多いように思います。
そうなると、日本人グループ内はいわば日本環境になります。その組織の一員となると、「つきあい」が生じるため気安く抜けられなくなります。日常の学校生活でのつきあい、週末のつきあいなど煩わしくなって、リセットするための転校ということになるわけです。
この状況を避けるためには、留学当初からに既存の日本人留学生たちに、自分の留学の目的を明らかにし、彼らの力を借りずに、学校の力を借りて現地に適応できるように努力することが必要です。
最初から自分の付き合い方を定義しておけば、それでも「グループに入れ」ということにはなりません。
留学本来の目的は、あくまでも異文化のなかでの新たな自分の発見とその成長にあると思います。その目的を恒に意識することも大切に思います。