留学コンシェルジュ

#4 ジュニアボーディングスクール、デメリットの克服

<昨日ブログに続きます>
小学校の5、6年生から中学にかけての留学は、異文化への適応が成人に比べてかなり柔軟にしかも早く行えることは、確実なメリットになりますが、その反面、自分のアイデンティティが不明確になるというデメリットに対する対応も必要です。
気遣いの文化と自己主張の文化、お互いの良いところを学び、それぞれの国に適応するためにはどうしたらよいでしょうか。
文化を考える際に最も重要なのが、その背景への理解ではないかと思います。日本の教育で試験慣れして、自分の意見を述べることよりも、正解を出すことが中心であった生徒たちは、当然のことながら、意見を述べることに対しては教育をされていないというのが現状ではないかと思います。
そのような状況が、留学して劇的に変わるのですから、彼らの適応力の強さ、深さ、広さなどその精神は驚異的といえます。
問題となるのは、日本からの留学生たちが、ボーディングスクールの教育や学校の文化に傾倒して、日本の教育や学校文化、慣習などを否定的に考えるようになることです。
留学生に人としての受容力を広げることを教えられるのは、家族ではないでしょうか。文化や慣習などは、良い、悪いというように判断するものではなく、それぞれが尊重されるべきであるという基本的な考え方を留学生たちはともすれば忘れがちです。
ボーディングスクールでの生活がいかに快適であっても、あるいは辛いものであっても、それが永遠に続くわけではありません。そこでの生活は、自分の未来に向けての通過点であり、自分が成長するためには、異質なものへの理解と受け入れが欠かせないことを、シンプルに伝えられるのは、親ではないかと思います。
ボーディングスクールを第二の故郷としている卒業生たちは、留学生にもたくさんいます。第二の故郷ということが、とても重要に思います。故郷というのはあくまでも一つであることが基本です。その基本が留学生のこころにある限り、私は彼らがアイデンティティを失うことはないと思います。
中学時代に留学することで、日本語の作文が不自由になり、漢字も書けなくなるといったデメリットも指摘されますが、この時代、世界のどこにいても、それらをカバーする教材や情報は、ネットで入手できます。完全ではないにしても、日本語に親しみを持つことは、留学においても可能な時代です。
自分の家族を基本において、グローバル社会で求められる多様性をぜひ中等教育留学で身に着けてください。

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