日曜コラム 秋は学校訪問のシーズン
毎年、秋はボーディングスクール訪問のシーズンです。
関東地方よりも一カ月ほど早く、紅葉を迎える
アメリカニューイングランド地方を今年も、
九月から通算すると、四回ほど訪問します。
訪問先校や宿泊先がオーバーラップすることがあっても、
季節や時間によって毎回違った表情を見せてくれます。
今回は七日日曜日からのアメリカニューイングランド地方の訪問でした。
コネチカット州、ハートフォードからスタートして、
北上し、終わりはメイン州、ポートランドです。
メイン州の下、ニューハンプシャー州は、もうすぐ冬です。
各ボーディングスクールのツアーガイド役の生徒たちは、
ジャケットのみの軽装ですが、あと一カ月もしないうちに、
オーバーコートが必要となるでしょう。
成田空港に到着し、家路に向かう電車から見る千葉の田園と空港近くの
こんもりとした森はまだオールグリーンで鬱蒼としていて残暑すら
感させます。そして、いつものことですが、アメリカで乾燥しきっていた肌が、
帰国とともに日本の湿潤な気候にうるおされていきます。
同行のご家族と別れ際、「お世話様でした」と挨拶すると、
お母さんが、「帰ってきましたね。また、現実が始まります」
― そうですね。確かに今週は特別でしたね。
特に、今回の学校訪問では、お母さんはニュージャージー州に
三年ほどご主人の仕事で滞在し、その間に学生として大学で学んだそうです。
「子どものための学校訪問ですが、半分くらいは懐かしさでした・・・」
とお母さんが語っていたのが、印象的でした。
学校訪問とは関係ない余談ですが、
メイン州にあるポートランドでご家族の依頼でダウンタウンにある
シティバンク(Citi Bank)立ち寄ることになりました。
その住所は、ホームページで確認されたそうですが、私はご家族を
その住所にお連れしました。ところが、シティバンクは
その建物になかったのです。
代わりに、United People’s Bankという大きな看板が、
当該住所の建物に掲げられていました。
そこに務める銀行マンによると、シティバンクはこの町のどこにもない
とのことだそうです。
ホームページに表記されている銀行が存在しないなどということは、
日本では起こりえないことです。
広大な国土を持つアメリカです。
この国の特性として、自由度の大きさ、
そして自己責任の大きさがあると思います。
次回の渡航は再来週からですが、マサチューセッツ州止まりなので、
雪は体験しないと思います。しかし、
ペンシルバニア州のボーディングスクールからニューヨーク州にある
学校まで500キロを超える移動があります。
安全運転を心掛けるとともに、いよいよ鮮やかな紅葉を
楽しむこころの余裕を持ちたいと思います。