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中学・高校留学 - その実用性6 十代の一人旅

<前日のブログに続きます>
親が望む「欲」を醸成する環境が整っていることが、ボーディングスクールの特徴と前日のブログで私は結論づけています。
只今、紅葉が鮮やかなアメリカニューイングランド地方の学校を訪問中ですが、学校案内をしてくれる子どもたちと毎日接する度に、彼らの人生に対する「欲」を、私は強烈に意識することも、あるいはされることもありません。また、同行している生徒からも、そのお母さんからも学習に対する「欲」、あるいは新しい環境でやっていく強烈な意欲といったものもそれほど感じるわけではありません。
十代半ばで親元を離れ、まったく新しい学習・生活環境で人生のチャレンジを展開するという「決意」がすでに欲を含んでいること故に、彼らに向かってそれをいう必要がないのかもしれません。
中学生、高校生の留学の現場と恒に接している私は、ボーディングスクールを訪問する度に、多様な生徒たちと接する機会を持ちます。多くの学校で日本から来た留学生たちと言葉も交わします。留学して間もない生徒、二年目になる生徒、大学進学を来年に控えている生徒など、いずれの生徒と話しても、一応に彼らはオープンであり、上手に新しい環境に適応していて、気さくにすれ違う生徒や先生と言葉を交わし、私たちの質問に対しても、すなおに答えてくれます。
私がもし彼らに「君は欲がありますか」と質問したならば、ほとんどの生徒が「欲」とは何ですかと聞き返すでしょう。そして私が「学習に対する意欲、あるいは『こうしたい』、『こうなりたい』ということへの欲求です」といえば、「宿題や課題をこなすのが大変で考えたことがありません」と答えることでしょう。実際、留学生たちは一日五科目のクラスを取り、そのほとんどから山のような宿題が出され、それをどのように消化するか、彼らなりの生活パターンを一所懸命に模索することになります。
どうしたら限られた時間内で宿題を終えることができるか。わからないところは、そのままにしておくべきか、そうでなければ、どう解決すべきか、など留学生が取り組むべき学習課題から始まり、スポーツ、趣味、音楽、芸術、そして遊びと一週間のパッケージは、思いのほかしっかり中身が詰まっているように思います。
人生に対する欲は自然が一番いい、いろいろな留学生と接していて、私はそのように感じます。
学校全体の半分以上の生徒が、寮生活をし、半分以上の先生も同じように自らの家族とともに学校敷地内で生活をする環境が、ボーディングスクールです。先生にしてみれば、プライバシーと先生としての役割がまじりあわざるを得ない環境で、生徒たちと接します。ボーディングスクールというのは、教育を伝える側が、手作りで教育を受ける側に人生をも教える場です。
ゼロから始まる、留学生たちのあらたな人生のストーリー。ボーディングスクールの先生たちは、おそらく、そのストーリーを見ることも、創り上げる手伝いをすることも共に、愛している人達なのでしょう。

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