中学・高校留学 - その実用性5 欲を作る環境
<前日のブログに続きます>
ボーディングスクールを訪問中に、同行された生徒のお母さんが私に「ボーディングスクールは、皆、田舎にありますが、(学校生活の)楽しみは何でしょうか」と質問されました。日本と比べれば、何もないに等しい生活環境で、そこで暮らす子どもたちは何が楽しいのでしょうか。
楽しいことを考え出し、実行することが、寮生に求められる基本条件であると思います。
先日までのテーマ、「欲」との関連について考えれば、与えられてきた受け身の環境からの脱却です。日本の自宅でのように自由にインターネットへのアクセスはボーディングスクールではできません。ショッピング、映画、コンサート、イベントなど、日本であれば週末などに自由に行けたところへも、ボーディングスクールにおいては、一定の手続きをとって制限された時間内で行くことになります。
自由度という点では、ボーディングスクールライフはとても制限され、不便と言わざるを得ません。それ故に、生徒たちは考えるようになります。日本からの留学生は、男子も女子もスポーツを積極的に行うようになります。演劇、絵画、音楽、ダンス、ボランティアなど、ボーディングスクールが本来備えている機能としての活動に自主的に参加するようになります。
そのようにしなければ、退屈して仕方がないでしょう。それでも、日本からやってきた勤勉な留学生は、四六時中勉強に没頭するでしょうか。そうであるとしても、ボーディングスクールにおいては、スポーツ、その他の活動も必須です。勉強のみの孤立した生活は考えられませんし、先生もそのような生徒をほっておきはしません。
タイムマネジメントは、寮生の必須学習項目です。
結局、ボーディングスクールの環境は、勉強、スポーツ、芸術、音楽など、おおよそ十代の生徒たちが興味を持ち、追求するのにとても良い素材を自然と提供できる、便利な環境に立地しています。
果たして、その環境から日本から留学した生徒たちは、親の希望する「欲」を生みだすことができるのでしょうか。
(つづく)