日曜コラム - 夏の剣道稽古
日曜コラム - 夏の剣道稽古
七月、八月、そして九月まで、剣道の稽古が一年でもっともたいへんな時期です。
私の場合、それ以外の月では、一度面をつけたら、稽古が終わるまで
外すことはありませんが、今の季節は水を補給せずには、稽古ができません。
一時間半余りの稽古で、二リットルくらい水が必要です。
私が通う私設剣道場、孝道館で稽古を一緒にしている
小学校四年のマサト君は、元気に稽古を続けています。
マサト君よりも三歳年上のケンタ君は、中学に入り、
県大会に出場するほどの腕前になりました。
一メートル六十五センチくらいの身長ですが、スピードとバネは強く、鋭く、
彼の体当たりを食らうと、大のおとなでも五六十センチはとばされます。
面にとぶスピードもとても早く、鋭く、キレます。
また、単にスピードだけでなく、接近戦においても、胴、小手への
タイミングが抜群によく、引き技(離れる時に出す技)がうまい。
さらには、精神面での成長が著しいのです。
お互いに構えて、一足一刀(打てば当たる距離)の間合いに入ってから、
小学校の時のようにはさがったり、固まったりしなくなりました。
竹刀を構えて、落ち着きなく動くこともなく、
徐々に、彼自身の剣道を作りつつあります。
よい先生や先輩に恵まれれば、インターハイで活躍することは
間違えないようい思います。
マサト君は、相変わらず、先生に「左足を出すな」と怒鳴られています。
毎回、毎回、ほめられることなく、怒鳴られていますが、
それでも、元気に剣道を続けています。
大人たちに加わって、基本稽古をした後に、子どもたちだけ、
さらに稽古が追加されますが、しっかりやっています。
この季節は、十代の若者と五十代の私の体力差が顕著です。
体が軽く、エネルギー消費効率が良い彼らには、稽古量ではかないません。
私の息があがっても、彼らは平然と稽古を続けることができます。
若い彼らの物理特性には、感心するばかりです。
マサト君との立ち会いは続けています。
いつも、先生に怒鳴られているので、少しはほめてやる気を喚起させようと、
私は彼との五本勝負に臨みます。
審判は、五段の方にお願いしているのですが、
彼は、私に辛く、マサト君には甘く一本を取るので、
彼と私は五分と五分の勝負になります。
迂闊に面を取りにいくと、胴に返されて、一本を取られることもあります。
暑い季節がもうすぐ終わります。
秋は学校訪問のシーズンでもあるので、日曜日の稽古も私は休みがちですが、
稽古ができる時は、マサト君との立ち会いを続けたいと思います。
また、ケンタ君とも試合モードでの立ち会いを試みたいと思っています。