ニュージーランド留学 - ホストファミリーでの食事
日本の食文化は世界最高だと私は思います。海の幸、山の幸が豊富でどこでも入手できること、素材の新鮮さ、活かし方、それを作る人の几帳面さ、清潔観念など、英語圏の食文化と比べて、断然日本が上位と思います。高級な料理のみでなく、一般家庭での食卓に並ぶ料理も種類の豊富さ、内容、質、そして味ともに日本のお母さんの料理的手腕は、世界一といえるのではないでしょうか。
ニュージーランド留学をした生徒に日常の食事のことを聞いてみると、あまりいい答えが返ってきません。フライドチキン、ピザ、パスタ、肉料理、ジャガイモ料理などカロリーがいかにも高く、既製品で済ませてしまうことなど、当り前とみな言うのです。
故に、留学初年度、女子は例外なく太ります。五キロ、十キロは当たり前です。さすがに二十キロまでは聞きませんが、十五キロ太ったという話は二年に一度くらい聞きます。
男子はそこまで太ることはまれです。女子だけがなぜ太るか、この不思議な現象の明確な答えを私は持ちません。おそらくは、新しい環境をそのまま受け入れることに対して、女子はあまり抵抗がないので、自分の周りの人に合わせて生活することで、自然にオーバーウェイトになってしまうのでしょう。
ホストファミリー宅での日々の食事については、日本の標準的な家庭のそれに比較して、劣っているというのが率直な私の見解です。また、手のかけ方も概して英語圏は大雑把であり、いい加減ともいえます。それゆえに、留学生は周りに合わせるのではなく、自分の体に合わせて食べ物を調整しないといけません。そのあんばいが理解できるようになるのが、留学二年目くらいです。初年度あれだけ丸くなってしまった生徒たちも、その後二三年をかけて、日本にいたころの体重へと戻っていきます。
太りっぱなしで留学を終える生徒はほとんどいません。
留学中の食べ物についての大きな問題点は、日本のお母さんの意識にあるといっていいと思います。多くのお母さんは、わが子からもたらされる日々の食事への不満に我慢できず、日本から健康サプリメントを送る、子どもの要望に合わせてカップラーメン、チンごはん、レトルト食品などを送る、ホストに食事の改善を申し出るなどの行動にでるのですが、食事は文化的側面も多々あるために、ホストファミリーの食生活の改善は望めないのが現実です。
幸いなことに、ほとんどの留学生が「太る」方向に始め向かいますから、「やせる」よりも健康的には安全といえます。ほとんどの生徒が、三年かけて体重を元に戻すという私の経験則から言える事実はあります。
できることならば、お母さん方にはこの「予測」を冷静に受け入れていただき、子どもたちに食生活管理を一任するという英断をしてもらいたいと思っています。