ニュージーランド留学 その6 子どもからみたお母さん
ニュージーランドに姉妹二人を留学させたお母さんからいただいたメール、
そして、電話での情報をもとにブログを六回ほど続けてきました。
留学コンサルタントとして私は、本人が渡航してしまえば、
おおよそのコミュニケーションはお母さんと行っています。
それで私の仕事が成り立つということは、子どもたちとお母さんとの関係が
密接ということの証明であると思います。
本人→お母さん→私→学校、あるいは、本人→私→お母さんと学校、
という情報の流れが自然です。
一年に一度か二度、留学した本人から直接学校のこと、
家族のことなどを聞く機会があります。そのような時、
お母さんから話を聞くようには、私が求める答えは得られません。
時々、お母さんからの情報と本人からの情報の違いに「あれっ」と
感じることもあります。
その時、すこしばかり止まって私は考えます。
「まだ十代の若者ではないか。それも当然のこと」などと達観します。
生徒たちにしてみれば、生まれた時から一緒にいる
お母さんですから、客観的に母をみるという作業が難しいのでしょう。
それ故に、生徒たちもすなおに「ありがとう」と言えない。
思っていても、日常のこととして、口にだすことはない。
わが子からお母さんへの「ありがとう」という五文字は、
相当なパワーを秘めているメッセージであることは確実なことです。
あるお母さんからいただいたわが子からのメッセージには、
今までいろいろとお母さんにかけた迷惑を詫び、
自分がこころからお母さんに感謝する旨のことが書かれていました。
それを、携帯電話で受けたお母さんは、周囲に人がいたにもかかわらず、
あふれ出てくる涙を抑えらなかったそうです。
人がいなかったら、声をあげて泣いたかもしれません。
私たちは、社会経験を積めば積むほど、感謝の気持ちの大切さを学びます。
生きることは、生かされていること、それ故に、自分がどのようにして
社会に貢献できるかということを真剣に考え、
自分の仕事の意義を確かめるようになります。
誰でも通る道ですが、子どもたちは、親の通る道筋をたどることになるわけです。
感謝、貢献といったことは、数量的に計れる場合もあるでしょうが、
計れば計るほど、自分のこころの望むところとは、
かけ離れていくかもしれません。
それ故に、子どもから親へのシンプルなメッセージがどれだけ、
親を勇気づけることになるか、その価値を学んだ子どもを持つ親は
本当に幸せな人であると思います。