アメリカボーディングスクール 大学進学について6
<前日のブログに続きます>
チェン氏は、中国の外資、ベンチャー企業の雄をいくつか例にとり、彼らの受けた教育のなかでリベラルアーツカレッジでの四年間の基礎学習習得期間の重要性を強調します。
中国エクスペディアの共同創立者、中国E-House代表、Super & ChinaのCEO、中国メリルリンチ前代表を務めた人たちがリベラルアーツカレッジからStanford、University of Pennsylvaniaのウォートンスクール(MBA)、Harvard、MITなど超有名大学の「大学院」で学んでいるという教育歴をかれは紹介しています。
アジア人一般のアメリカ大学観はすでに紹介しましたが、Harvard、Yaleなどのアイビーリーグ校、MIT、Stanford、UCバークレー、UCLAといった誰でも知っている大学に限られると思います。そこでどのような教育が行われているか、なぜこのような学校が世界のトップの位置を保てるかなどについては、「入ればわかる」といった理屈で、あまり深く追求することはないように思えます。
この有名大学の概念は、日本であれば東大、京大、阪大、東北大、北大、九大などの国立一期校、そして早稲田、慶応、その下にマーチ(明治、立教、中央、法政)、次が日東駒専、そして大東亜帝国という序列でグループ分けする考え方に、似ていると私は思います。
私たちの大学進学は、自分に合った大学を選ぶというよりも、自分を大学に合わせるという考え方であり、一言でいえば、どこの大学を出たかという「学歴」が問題にされるという社会です。しかし、外資系企業、IT系企業においては、学歴による閥の形成などに時間と労力をかけている余裕はないというのが現実であると思います。
どこの大学を出ていようが、与えられた課題に対して一定の期間、成果のない結果しか出せなければ、それで終わりです。企業が人を育てている時間はありません。
チェン氏のレポートは、特に日本の大学で学んでいる学生たちにはとても役に立つ情報ではないかと私は真剣に思います。たとえば、前述の中国における成功者の人たちが学んだリベラルアーツカレッジを上げると、Concordia College(ミネソタ州:学生数2710人)、Swarthmore College(ペンシルバニア州:学生数1510人)、Hope college(ミシガン州:学生数3090人)、Brandeis University(マサチューセッツ州:学生数3330人)です。これらの大学名を初めて聞く人がほとんどだと思います。いずれも少人数制クラス、一般教養中心、徹底した教授と学生の密着教育を実践する誇り高きリベラルアーツカレッジであり、入学難易度もかなり高い学校なのです。
つづく