ニュージーランド留学 ホームステイトラブルその2 ホストと会話がない
留学してから一か月間くらいの現地での生活はとても不安定なものです。この時期に陥りがちな留学生の問題点として、ホストファミリーとのコミュニケーションがあげられます。とにかく、こちらからの発信がないままに、英語がままならない焦り、話しかけられることへの不安、留学前の想像とのギャップなど、留学生が解決しなければならない課題は多いと思います。
あるNZ留学をした生徒から、メールでI want to change my host family.というメッセージが届きました。理由は、 My host mother is busy and I can’t talk with her. I want to have host sisters and host brothers.ということでした。
私自身がホームステイを変える権限はありませんから、現地、ホームステイコーディネーターにこちらから、どのような依頼をするかがポイントになります。しかし、このようなケースは現地スタッフに依頼する前に、発信してきた生徒そのものに私はまず提案をします。
Go and talk with you homestay coordinator who can help you to solve the problems. I think your homestay coordinator will help you find appropriate host sisters or brothers among the students at the school.
留学の目的を問うと、99%の生徒が「語学習得」と答えます。留学を終えた生徒に留学で得られたものはと問うと、英語力を一番目にあげる生徒はほとんどいません。異文化が知れたこと、海外で友だちができたこと、親への感謝、周りの人への感謝などが留学体験者の本音です。すなわち、留学初期の生徒たちの焦りは、問題解決の糸口を自らの行動を最小限に、人から与えられることで乗り切ろうとするところに問題があると思います。
ニュージーランドに限らず、英語圏の離婚率は、現実的に日本の倍くらいはあると思います。シングルマザーはたいへん多く、子どもたちも大学になれば、親から離れて暮らすのは当たり前です。このような家族環境のなかで、たとえ、ホストシスター、ブラザーがいたとしても、英語の不自由な留学生を気遣い、いたわり、思いやって、彼らの英語力向上に貢献してくれるかどうかは、期待できないのが現実です。
受け身的にホームステイに期待しても、結果として得られるものは、多くはありません。それよりも、学校という組織を上手に利用する方法を考えるのが得策です。そのために、留学生担当の先生が複数いますし、留学生に英語を教えている先生方も協力してくれると思います。
大切なことは、自分が本当にしたいことを正確に英語で説明できるかどうかです。
謙譲、謙遜、気遣いなど日本の文化では、相手を思いやり、立ててあげることが重視されますが、英語圏にはそれほどまでに相手を気遣わないので、留学生は「どう表現したらいいのか」思い悩んだ挙句、いきなり「ホストを変えたい」と切り出すことが多いのです。問題はそのあとで、理由説明がはっきりしない。
自分で思いつめて、いきなり結論を言うのではなく、問題をオープンにして、深刻になるまえに一つずつ、解決していく方法論を私はホームステイを希望する生徒には、指導することにしています。