NZ留学 ホームステイでのトラブルその1 ホストが英語を話さない
英語圏の家庭は日本と違い、人種、文化、言語などがとても多彩です。
インド系(インド語)、ヒスパニック系(スペイン語)、チャイナ系(中国語)
などのホストファミリーは珍しくありません。
現地の担当者から日本にもたらされるホストファミリー情報のなかには、
家庭内言語という項目はありませんから、ホストの名前などから、
家庭内言語を類推することは難しく、こちらから、挨拶として連絡しても、
当然のことながら、電話口の相手は英語を話します。
それでも、家庭内言語は英語以外という状況はあり得ます。
そのような時、留学した生徒はどのように対応すべきでしょうか。
日本からの留学生は「英語を勉強しに来たのに中国語が飛び交っている」
などと、自分の置かれている状況にパニックになりがちです。
限られた時間のなかで、英語を習得しにきているのですから
十分に留学生の心境は理解に値すると思います。
それを踏まえた上で、二重言語の家庭のメリットデメリットを考えます。
留学生はもとより完璧な英語を話せるわけではありません。
完璧さを望んだとしても、考えすぎたり、間違えを気にしたりして、
話すことの上達を阻害してしまいます。
大切なのは、意志疎通をはかることです。
お互いの意思疎通の基本は、お互いの立場や感情の理解から始まります。
すなわち、留学生として語学のハンディを背負っているということを、
相手が理解してくれることによって、それだけでかなり意志疎通度は
向上すると思います。
家庭内の身内同士は、英語が第一言語ではなくても、
留学生に対する言葉の理解や生活のハンディを理解するということでは、
必ずしも、英語が第一言語の家庭でなくても、十分に異文化を体験できます。
英語圏で暮らす第二外国語を話す家庭の文化は
日本からの留学生にとってプラスアルファかもしれません。
大切なのは、自分の意見を、自分に一番近い人たちに知らせるということです。
ホストが英語以外の言語を話していたら、
「英語で話してください」と言えばいいのです。
それを何回言っても、英語で話してくれない、
あるいは英語以外の言語で話がわからない。これは問題です。
その時は、ホストを変えたいということを、
留学生担当の先生にはっきりと伝えることです。
もし、家庭や先生が自分と真剣に向き合ってくれない場合は、
私たちコンサルタントの出番となります。
私たちは、留学生とホームステイコーディネーター(ホームステイを探す人)の
間に立って、留学生が納得できる生活環境を作るために努力します。
しかし、留学生がどれほどベストなホストファミリーに恵まれても、
彼らの自助努力がない限り、ベストな結果は期待できません。
与えられた環境のなかで、問題解決にあたる姿勢は、英語力の向上のみならず、
留学生諸君が、社会で経験するであろう多くの困難に対応できる
自立の精神を養うと私は考えています。
留学の本質は、異文化という鏡に映った自分を見つめ、
新たな自分を発見して伸ばすことにあると思います。