アメリカボーディングスクール その6 ESLの有効利用
<前日のブログに続きます>
先日は、留学生の科目構成から派生して合否判定までを説明させていただきました。ESLについての最後の回として、これから留学に望む人たちのためにESLを有効活用させるための要点について述べたいと思います。
まず、留学生にとって、できることであれば、英語力を最大に上げて留学に望んでもらいたいと思います。留学する生徒一人ひとりの動機やきっかけはそれぞれにあると思いますが、留学してから一応に彼らは自分の英語力のなさに直面しなければなりません。それ故にESLクラスがあるのですが、このクラスはある程度、それを受ける人が英語を知っていることが前提なのです。ESLを大別して初級、中級、上級の三段階にわけて、初級クラスに入っても授業はすべて英語で行われます。日本からの留学生にとって、留学最初の一か月くらいは英語が念仏にように聞こえるというのが現実でしょう。
この「念仏」も長く続くわけではありません。留学生がこころを開き、すなおに現実を受け止めて、相手の文化を尊重し、それに適応しようと努力すれば、一か月もたたないうちにコミュニケーションが徐々に成立するようになります。そこで留学生たちはいろいろなことに気づくわけですが、ESLクラスを活用するために最も大切なことは、率先して発言すること、間違えを恐れずに、自分の考えていることをクラスで、あるいは友だちに表現することです。
英語圏のESLクラスは日本の英語クラスに比較して、おおよそ説明が大雑把であり、自主学習を強いられることになります。そのような時に、日本の高校受験レベルの英語問題集がとても役に立ちます。英語文法の基本学習にはとてもいい教材ですので、留学が決まった夏にはサマースクールで英語の聞く、話すに慣れるとともに、読み書きの基本として、最低限の英語文法は知っておく必要があります。
繰り返しますが、日本の大学受験などに出る、例外的文法規定や、めったに使わない仮定法や時制に関する言い回しなどを暗記的に覚えるのは、無駄な労力です。いずれは、それも必要になるのでしょうが、留学初年度に必要なのは、あくまでも基本です。英語構造の基本を理解せずして、ただ暗記だけで英語知識を増やしても、そのようなものは現場で使いませんから、すぐに忘れ去られてしまいます。
なるべく簡単ですなおに興味の持てる材料を使って、英語で物語を読む訓練、日本語を英語に訳すのではなく、自分の意見を最初に述べて、その理由を説明するという英語における作文の基本を徹底して行う訓練が留学前にしてください。そうすることで、留学してからのESLクラスを十分に活用することができると思います。