日曜コラム 海外での食事
英語圏の国々への学校訪問は、移動時間が長く、
車に乗りっぱなしになることが多くなります。
また、日本の食事に比べると高カロリーで量もかなり多くなります。
結果として、運動量が少ないのに、太るものをたくさん食べることになります。
そのことを熟知している私は、ボーディングスクールのみならず、
「食」のコンサルタントでもあるべきなのですが、
イタリアンのお店のメニューは、専門用語が多く、
取り立てて通でない私は、学校訪問ツアー中に一度は
食事で失敗をします。
そのほとんどが注文したものを食べきれないという失敗です。
中華、イタリアン、ピザ、そしてフィッシュ&チップスといった欧米料理、
出張中に一度はどこかでオーダーしたこれらの料理の半分も食べられない、
あるいは、パスタがぶよぶよで食べられない、しょっぱすぎる、
反対に味がないなど、生徒や家族と顔を見合わせてしまうことがあります。
今回は、生徒と私の二人旅です。
あっという間に三日間の学校訪問の最終日になりました。
いつものことですが、最初の学校の緊張感と受け答えのたどたどしさが
この三日間で消えていくのを見るにつけ、若さの生きる力を私は
とても頼もしく、またうらやましくも思います。
海外に出るのが初めてという十六歳の生徒は、
観光旅行や修学旅行をとばして、いきなり11時間のロングフライトのあと、
百マイルを車で走り、田舎のホテル泊、時差ぼけのなかで、
いきなりの学校訪問とインタビューですから、大変な精神労働です。
「今回は、万全な食事を心がけよう」ということで、
チャイフー(中華料理)、イタ飯、ピザ屋などでは、量をダブルチェック
しながら望み、結果として今まで一度も食事をすべらせていません。
あと二十四時間あまりで、お互いに「おいしい」と言い合えれば、
ついに「食」の新記録を達成できます。
私の経験で一番、失敗の確率が高いのは、
田舎町の家族でやっているようなレストランでの注文です。
ローカルな人を相手にしているので、ボリュームがすごいのです。
サラダ一つでお腹いっぱい、パスタ一皿四人分、スモールピザも
四人分、ドリンクは飲ほせば、すぐに注ぎ足してくれる、などなど。
家族経営だけあって、みな愛想がよく、
「あんたたち、どこから来たの」という質問に、
―日本です。~ボーディングスクールにこれから行きます。
「そう、あそこは、とってもいい学校ですよ。あんたたちは、ラッキーね」
などと、話はすすむのですが、食べ物は「参りました。」
今回の難所、小さな田舎町のピザ屋さんでは、
スモールの十インチくらいのピザと、トスト・グリーンサラダを注文しました。
パン生地もチーズもとても軽く、お腹にずっしりということがありません。
二人とも、Very good。
本日、朝食はホテルのコンプリメンタリー(宿泊者にふるまわれる無料の軽食)、
昼はボーディングスクールでのランチが確定しています。
ひところよりもボーディングスクールの食事はたいへん改善されています。
されば、夕食だけですが、帰途前の空港近くですから、
問題なさそうです。
最後まで、アカデミック面、健康面に気を抜かず、
学校訪問を全うしたいと思います。