あるお母さんのカルチャーショックin NZ その2
<前日のブログに続きます>
総行程2000キロあまり、昨年の夏のニュージーランドの学校訪問は
七日間で無事終了しました。
帰国後に家族の学校選定優先順位を確認して、
第一優先校への入学交渉に入るわけですが、
時には、学校選択が、お母さんと本人で違うこともあります。
このケースは本人の自己主張にお母さんが譲歩しました。
当初からホームステイでなく、寮滞在を希望していた本人ですが、
ニュージーランドはアメリカと違い、
ボーディングスクールの伝統はないと言えます。
アメリカと比較して、国と人口がとても小さく、
農業、観光立国のニュージーランドでは、
そもそも人生における学歴の捉え方が違います。
寮生活を中心とした学校を運営するという教育文化が
ニュージーランドはイギリスやアメリカほどに盛んではありません。
さて、留学時の本人の年齢は十一歳、彼女の希望どおり、
北島の学校への入学手続きを始めようとしたおり、
お母さんから長女も留学をさせたいという連絡がありました。
私はその費用負担についてまっさきに言及しました。
それに対してお母さんは、
「私たち夫婦が、食うや食わずのひもじい思いをしても、カップラーメンが夕食であっても子どもを留学させたい」というのです。
どうして、お母さんはそれほどまでに子どもたちを海外に行かせたいのか、
わたしはすなおに質問しました。
「ニュージーランドの学校を訪問してみて、こっちのほうがうちの子どもたちにとっていいということを確信しました。日本にいて、このまま学校に行っても、何も見えてこないのです。当たり前に高校を出て、行ける大学に行って、適当なところに就職する。でも、娘が大学を出るころ、就職口だってあるかどうかわからないでしょう。だったら、ニュージーランドに留学して、一人で生きていけるようになってほしい。英語も学んでほしい。若いうちに、人として成長してほしい。私たちが子どもにお金や土地を残しても、なんにもなりません。私たちが苦しい生活をしたとしても、子どもたちに今のうちから生きることを学んでほしいと思っています」
家族の意見を尊重して、私は長女と会いました。
学校訪問をした二女よりも、とても愛想がよい14歳でした。
二女は、学校訪問の時、必要最低限の英語による自己表現はしていましたが、
私との会話はほとんどありません。
私の質問にたしても、返ってくる答えはおおよそ単文です。
寡黙な子ですが、笑顔がとてもかわいく、現地の先生やスタッフに
かわいがられるタイプではないかと私は思いました。
個性の全く違う姉妹ですが、お母さんと三人でいると、
なんとなく「三姉妹といえそうだな」という印象を私は持ちました。
つづく