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迷える青年 - NZ留学の現実 留学二か月目 その7

<前日のブログに続きます>
青年のお母さんによれば、青年は単位を取得するために、せっせと
キャンプ、ロッククライミングに参加しているそうです。
とてもいいことだと思います。このような機会を生かして、
自分の好きなことを与えられてこそ、知識を増やすことへの
取り組みもできるのではないでしょうか。
数学では、確率、統計などをやっているようです。
日本の数学のレベルは英語圏の諸外国に比較すると、
おおよそ二年くらいの開きがあるように思えます。
日本の普通科高校の一年生が学ぶ数学1は、英語圏の国々では
おそらく必須ではありません。
青年の場合、答えは出せても、そのための説明が英語でできないのでしょう。
数学の基本英語をまだ理解していないため、かなりの戸惑いがあります。
しかし、日本ですでに学習済みことが多いため、ある程度ついていけるようです。
英語力が向上すれば、それだけ数学は楽になります。
ニュージーランドにおける彼の今年の取得単位目標はYear11として80単位です。
来年Year12(Level 2)では60単位(Level 2の科目より)そして、
その前年に取得した科目から、20単位が加算できます。
最終学年、Year13(Level 3)でも、60単位(Level 3の科目より)取得、
さらに20単位(Level 2以上の科目から取得)が必要となります。
ここでいう単位とは、日本やアメリカの中学高校の単位とは全く違います。
日米の教育システムでは、教科ごとに終了すれば何単位と決められています。
しかし、ニュージーランドの単位は、教科の内容について、達成すべき
課題があらかじめ決められていて、それをクリアするごとに単位が加算されます。
English、Math、社会科科目、理科科目などは、一教科ごとに20単位くらいの
課題が与えられていますから、年間で80単位を取得することは、
それほど難題ではないように思いますが、留学生に重くのしかかるのは、
英語力、特に読み書きの力であることは、言うまでもありません。
ニュージーランドの教育制度では、高校三年間のYear11(Level1)から
Year13(Level3)は基本的には自己責任、自己選択となります。
与えられたコースをこなしていく日本よりも、青年には向いていると
私は思っています。
繰り返しになりますが、彼の現在の習得科目は下記のとおりです。
ESOL
Math
Outdoor Education
Art
Computer
PE(Physical Education:体育)
日本の高校一年生の学習科目と比較して科目数が少なく、社会、理科、
そして外国語がありません。
「教育レベルは大丈夫なのでしょうか」というご意見も出そうです。
バブル経済がはじける前の日本であれば、日本の教育が圧倒的に
質と量の面で高いと言えたかもしれません。
しかし、日本の子どもたちはその質と量に優れた教育を享受して、
楽しく学び、満足し、自分が受けた中等教育にプライドを持ったでしょうか。
私は教育評論家ではないので、大所高所から教育を俯瞰して、
「こうあるべきだ」といったことを述べるのは好きではありません。
英語力が足りない、青年のためにカスタマイズされ、
考案されたYear11のカリキュラムを彼は一所懸命に学んでいます。
その一所懸命さが彼のこれからの基礎を作っていると私は信じています。
彼がこれから直面しなければならない問題はたくさん出てくることでしょう。
それが思春期を過ごす若者の当然の姿であり、恐れることではありません。
そんな覚悟がしっかりあるからこそ、青年のお母さん、お父さんは
彼がニュージーランドに行くことを許可したわけです。
彼が親の決断と協力に感謝し、「ありがとう」という気持ちになれば、
ニュージーランドでの生活は、彼を更に成長させるものとなりでしょう。
そこに至る道を彼が見つけるまで、私は彼を見ていきます。

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