#2 アメリカの大学 ― 厳しい成績管理
昨日のブログでアメリカの大学では、F評価(日本の1~5段階評価の1に相当)の科目が2科目あれば自動的に退学処分となると述べましたが、よりアメリカ大学の事情に詳しい友人によるとGPA(Grade Point Average:平均成績)が2.0を下回った成績であった場合に退学処分となるということでした。
アメリカの場合、5段階評価の数値は下記になります。
A - 4
B - 3
C - 2
D - 1
F - 0
履修科目が5科目であった場合、その成績がC平均でGPAは2.0です。アメリカでは、中等教育から上記の評価が一般的ですから、C平均を達成することはボーディングスクールにおいては、それほど困難なことではありません。
繰り返しになりますが、中等教育における成績評価は、基本的に授業態度、宿題の出来ばえ、そして試験結果を加味して行われるので、本人の意欲や努力があれば、試験が多少できなくてもC評価はもらえます。
大学に教育の場が移されると、おそらく試験の結果がより重視されることになるでしょう。というのも、一般教養においては、一クラスの人数が多くなるために、ボーディングスクールのようには、ディスカッションやプレゼンテーションなどの授業中での個別評価が難しくなるからです。
また、アドバイザーといういわば担任の先生という存在もボーディングスクールのそれとは違って、学校生活のなかで頻繁に接するというわけではありません。新入生に対してオリエンテーションは行われますし、生徒向けのガイドブックなどもあると思いますが、大学教育の大前提として、自主的に考え、行動することは大原則ですから、成績管理は学生が自ら責任を持って取り組むことになります。
退学の実例があります。ある学生は、コミュニティーカレッジに入学しての最初の学期、履修した科目のうちFの評価が2科目あり、前期終了後にメールで大学から退学処分の通知を受けました。
留学生担当のスタッフに連絡しても、「その結果は覆せない」ということだったそうです。結果が出る前に、どれだけの警告が本人にあったかは定かでありませんが、青天の霹靂というのが本人の弁でした。
アメリカの大学では、もし学生がアルバイトとサークル活動を中心に行動していれば到底、やっていけないのが現実ではないかと思います。