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ボーディングスクール留学 - アート・スポーツは日常3

<土曜日のブログに続きます>
英語圏の学校に留学希望の生徒、そしてその家族と訪問する機会の多い私は、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、スイスの学校のアドミッションオフィスの人たちと留学生の入学交渉だけでなく、いろいろな話をします。
学校訪問に向けて、留学希望者やその家族からは、面接時の質問事項についてはもちろんのこと、親への質問事項、訪問時の服装、学校へのお土産に至るまで、日本の学校受験の要領でいろいろな質問を受けます。私は当然それに「物理的」に答えるわけですが、いざ現場に到着し、あまりにも受入れ側の人たちが、オープンでざっくばらんなのに日本からの訪問者の皆さんは一応に驚かれます。
「学校選択はお互いのお見合いです」と私は皆さんにお伝えします。
こちらが一方的に頭を下げて、懇願するものではありません。お互いに気に入ればよし、気に入らなければ他を探すということです。学校は生徒に気に入られるために、どんどん設備投資をするとともに、彼らの「こころのあり方」も一所懸命に研究します。そのなかで培われたのが、アート・スポーツと学術習得の共存なのです。
日本の中等教育機関は、とどのつまり「いい大学に行かせる」ことを、主たる目的としていて、ボーディングスクールは生徒が満足することを中心に考えているのではないかと私は思っています。「そんなことはない。テンスクールズなどはアイビーリークにたくさんの生徒を入学させるから人気なのではないか」という反論も当然と言えます。しかし、私はテンスクールズに受かっても入学せず、私のいうところのランク4の学校に入った生徒など、今までの学校訪問のなかで、数えきれないほど会いました。
日本と英語圏、どちらが正しいかということではありません。学校がどのような価値観で運営されているかを選択するのは、生徒とその家族です。
アートもスポーツも単独では、子どもたちを支えられる、いわば生きていくための「糧」となることは、極めて困難ではないかと思います。中学・高校時代にいろいろな分野の芸術家として、「その道で食っていこう」などと自分の道を固定することは、とても無理があるように思えます。同様に、スポーツでもプロとしてやっていけるかどうかなど、高校卒業時に確信が持てるいわば天才は数万人に一人くらいではないかと思います。しかし、誰にでも芸術性、スポーツ性はあり、それを刺激し、伸ばすことで、十代の子どもたちのこころの核が成長して、やる気、自信、プライドなどを増長させることも可能です。それに確信を持ち、信じて疑わず、実現化させているのがボーディングスクールであるといっていいと思います。
アドミッションオフィスのスタッフは、面接の時に、志願者のやる気を引き出すような言い方をするのです。彼らを受入れ、認めたい、どこか志願者のいいところを引き出したいと思うのです。
「アート・スポーツは日常」という考え方に私は年を重ねれば重ねるほどに、惹かれます。そして、子どもの可能性を試験に絞らずに、彼らのすなおな心にあてれば無限に広がるであろうことを、信念として持ち続けたいと思います。

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