航空機遅延-日米の説明の極端な違い
シカゴ発成田経由シンガポール行きUA881便の機内でのことです。
学校訪問を終え、ハートフォードからシカゴに向かう便が1.5時間遅れ、
国際線もきっかり3時間遅れました。
両便とも一旦飛行機のドアを閉めてからの遅延でした。
国内線は、シカゴオヘア国際空港付近の悪天候によるもので、
これは仕方がありません。
私は飛行機の遅れに神経質なところがあって、DELEYという
アナウンスを聞くとすぐに苛立ちます。
「天気が悪いのだから仕方ない」と達観できません。
一度、閉じられたドアが開き、「朝食をとりたい人はどうぞ」などと、
能天気なアナウンスに腹が立つばかりです。
飛行機を降りて、搭乗ゲートのカウンターにいき、
シカゴ経由でなくて、ワシントン・ダレス空港経由の便に
変更可能かどうかをUA職員に尋ねました。
「まだ、フライトキャンセルではないので、今はその手続きはできない」
との担当者の返事に、私はすかさず「いつまで待つのか、
いつになったらその手続きは開始されるのか」と突っ込みました。
「9時20分だ」と明確な返事に納得し、機内に戻りました。
幸い、雷を伴う通り雨はおさまったようで、
シカゴ行きUA393便は離陸しました。
シカゴから成田に向かうUA881便ですが、乗客が乗り組んでから、
1時間たっても、飛行機が動きません。
そして、機長からのアナウンス、
「計器の一部、部品交換が必要で、そのため1時間ほどかかる。安全(運行)第一ゆえに、乗客の皆さんにはご理解いただきたい」
日本語の説明は、
「機材の整備を行っているので、しばらくお待ちください」
この説明の前後には、お詫びの決まり文句が延々と続きます。
ゲートに横付けされたまま、1時間以上の時間が経ちました。
機長のアナウンス、
「部品交換が終わり、その確認書類を作成している。それを提出次第、プッシュバックして、出発します」
日本語の説明、
「皆さま、お待たせしております。当機は機材整備を終えた模様です。確認し次第、出発いたします」
滑走路に出たのですが、また停止して30分以上時間が経ちました、
機長のアナウンス、
「離陸順番待ちの優先順位は高いのだが、しばらく時間がかかりそう。一旦エンジンを切って、司令塔の案内を待ちます」
日本語アナウンス、
「当機は間もなく離陸する予定です。どなたも座席ベルトをお締めのうえ、電子機器の使用をお控えください」
このアナウンスは、3-4度日本語では繰り返されました。
この日本語のアナウンスに私は通勤電車の遅延のアナウンスを思います。
ドア点検、車両点検、安全確認など漠然とした説明に終始するのが、
日本の特徴と思います。
ドアが閉まらない、故障を直している、信号が故障した、修復に何分ほど
かかるなどと正直にいったほうが、「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と繰り返していわれるよりも、すっきりすると思うのはわたしだけでしょうか。
日本とアメリカ、お互いに個性的で魅力的な文化を持つ国ですが、
日常生活での説明責任については、私はアメリカのほうが好きです。
良いところは受け入れてほしいと、
「アナウンス」に感じた機内での出来事でした。