異文化での食生活-その2
<前日のブログに続きます>
アメリカの食事は美味しくないとよく言われます。そして、ボーディングスクールの寮の食事も私の経験する範囲では、美味とはいえません。しかしながら、幸いなことに、「食事がまずい」ことを理由に中途帰国をした生徒は三十一年間で一人もいません。
食を文化的に考えてみると、アメリカ人は日本人よりも大雑把であり、食へのこだわりがとても少ないと思います。フードコートと呼ばれる、ファーストフードのスーパーマーケットでは、中華、日本、メキシコ、ハンバーグ、チキン、ピザ、ドーナッツなどなど、どの店で注文しても、てんこ盛りです。アメリカという大陸風土が生んだ、独自のやり方と思います。イタリア、フランスなどは独自の食文化を生みましたが、アメリカはついぞ独自の食文化を持つに至ってはいないと思います。
さて、ボーディングスクールの食事ですが、一日三食、日曜日はブランチとディナーの二回標準です。朝食はコンチネンタルでなく、ホテルの朝食メニューとおおかた同じものです。昼食、夕食は2-3種類のホットミール(コックさんが調理した暖かい食べ物)から選べます。
食事は、席が指定されている学校と、自由にどこに着席してもよい学校があります。いずれも、スープ付きのサラダバー、ソフトドリンクバーで好みのものを自分で好きなだけ取り、ホットミールと一緒にたべます。食べた食器類は自分でキッチンまで運びます。食べっぱなしでオーケーというボーディングスクールはおそらくないと思います。
その他、各寮には電子レンジ、電熱コンロなどがあり、インスタント食品、レトルトフードなどはいつでも食べられるようになっています。日本の親から留学生本人への小荷物郵送でナンバーワンを占めるのがカップヌードルであるのは今も昔も変わりません。
週末は、寮の料理から離れて、留学生たちはデリバリーで中華(チャイフー)やピザを注文したり、外食などをして過ごすようです。
留学初年度、女子生徒はほぼ例外なく太ります。5キロ、10キロ当たり前で、15キロ増えたという生徒も珍しくはありません。男子は女子のようには太りません。通常、現状維持です。初年度は極端に体重が変化する女子ですが、留学を三、四年間継続すると、ほとんどの生徒が日本にいた時の体重に戻るというのが、私の知っている事実です。
初年度を終えて、帰国したわが子を空港に出迎えた親が、「わからなかった」という話も毎年、1-2件お母さんから、報告されることです。
女子生徒が太る原因は間食にあるようです。日本からのお菓子、ポテトチップス、チョコレートなど、ディナーなどが終わった後にも、コンスタントに口にするため初年度はどうしても太るそうです。