2012年 サマースクール-Introduction
北半球のサマースクールは、ボーディングスクールが主催するものとそうでないものに分類されます。夏季にボーディングスクールや大学の施設を借りて行うサマースクールは、それを専門とする団体によって運営され、地元あるいは自国の生徒を対象としたものではなく、主に海外から生徒を募集します。
80年代には、一社だけで2000人を超える一般の高生が参加したサマースクール、海外研修も現在は数の面では激減しました。その代りに日本の私立中学、高校では、個別にオリジナルのプログラムを組みサマースクールを行うようになりました。バブル期以降、日本ではニュージーランド、オーストラリアへの短期研修が増え、アメリカ、カナダへの旧来のホームステイ+英語学習というサマースクールは、参加者が主に日本からの生徒に限定されてしまうこと、ホームステイの比較による細かなクレームが多いこと、短期間での英語学習が大変非効率であることなどから、その役割を終えたと思います。
アメリカのボーディングスクールが独自のサマースクールを展開するのに比べて、イギリスのボーディングスクールはサマースクールの独自運営にあまり積極的ではありません。しかし、日本からの留学生が参加できるというサマースクールの条件を考えるといくつかのサマースクール専門といえる運営団体が行うイギリスボーディングスクールのサマープログラムはそれなりの活用方法が考えられます。
一方、アメリカのほとんどのボーディングスクールのサマースクールは、開始日が6月下旬から7月中旬、終了が8月上旬ですから、日本のなす休み期間と合わずに、一般の人たちの参加がままならない状況です。YMCAなどが主催するサマーキャンプなどは、地元の生徒のためのものです。英語の不自由な留学生のための特別なスタッフもプログラムも準備されていませんから、日本からの生徒たちが単身で参加することはとても現実的ではありません。
その中で、日本からの留学生が参加できる7月下旬にも入学できるプログラムを持つサマースクールがペンシルバニア州にあるWyoming Seminary(SEM)のプログラムです。日本からの初の留学生受入れが60年代、それ以降、コンスタントに受入れを継続してきたSEMは、サマースクールにおいても、日本からの留学生のための配慮があります。
これから順をおって、小・中・高校生のための特徴あるサマースクールをご紹介してゆきます。