USボーディングスクール-スポーツ活動について
英語圏の中等教育における体育教育は、すべてシーズン制です。通常1年を3期に分けて1期ごとに行うスポーツが変化していきます。日本のように通年でおこなうスポーツ活動は学校カリキュラムにおいてはありません。これはスポーツクラブ活動にも当てはまり、野球、フットボール、サッカー、バスケットボールなどは2ヶ月半ほどのシーズンが終えると、学校での練習、対抗試合などの活動は終わります。
ボーディングスクールでは体育は重要な活動です。しかし、大学での主要スポーツの全国規模の展開と違って、その活動はローカルなものであると思います。たとえば、日本のような春夏の高校野球大会、インターハイといった高校レベルでの全国統一大会はないと思います。一般的には、周辺の学校(半径150キロくらい)と交流試合を行い、その年のチャンピオンチームが決定されます。そのなかで、優秀な成績を残した選手は、大学にスカウトされるといったシステムになっています。
日本でいうところのスポーツのクラブは、ボーディングスクールの場合、チームとなります。その活動は学校の正規の授業が終了する午後3時以降に始まり、2-3時間続きます。土曜日と日曜日はリーグ校とのホーム、アウェイでの試合がスケジュールされるために、勉強と両立させるには相当に過密なスケジュールとなります。
ボーディングスクールのチームは通常、バーシティー(一軍)とJV(ジュニア・バーシティー:二軍)に分かれています。一校、一チームが当たり前で、チームのレギュラーメンバーに入れない生徒はいわゆる万年補欠という「カット」方式は取りません。生徒人数が少ないせいもあるかもしれませんが、チームに属せば、補欠としてカットされることなく、ジュニア・バーシティーで選手として試合をするのが当たり前です。
ボーディングスクールでのスポーツに対する考え方は、特定のスポーツで有名校になって、生徒を集めるというものではありません。もちろん、多くのプロフットボール選手、バスケットボール選手を輩出しているボーディングスクールはあります。そのために、有望な候補選手を奨学金でスカウトするという事実もあります。しかし、スポーツを通じて、子どもたちにフェアーな精神、闘争心、集中力などを教えるという考え方のもと、彼らに試合の場というチャンスを与え、そこから学ばせることを大切にしているように思います。その仕組みがバーシティーとJVということです。JVはいくつあっても良いのです。リーグ校が同じシステムですから、
スポーツにおける精神的、意識的な落ちこぼれはありません。