ペアレンツウィークエンド2
ペアレンツウィークエンドに日本から親が参加できない場合、学校がそのような状況の留学生たちを集めて週末から数日間、彼らのための特別な計画を立てるか、あるいは通常通り学校に滞在させることで対応します。その対処は学校の担当スタッフと本人の間で行われ、その状況は親元には報告されません。したがって、留学生本人の英語力が先生やスタッフからの指示を理解できない場合、「私はどうしたら良いのだろう」ということになります。
日本の学校であれば、生徒管理、親との連絡責任は担任の先生が負います。学校連絡に関する窓口が統一されている日本の学校では、先生側からみると、ボーディングスクールと比較して大変な仕事量ですが、親の側から見ると、とても便利です。
英語力のない本人をこのような時、サポートするのがコンサルタントの役割であるわけですが、まず連絡先を確認する作業から始めます。ペアレンツウィークエンドは学校にとり大きなイベントですから、通常、取りまとめのための特定スタッフにメールないしは電話でこの期間中、親がイベントに参加できない留学生の対応について尋ねます。すると、そのスタッフは留学生をこの期間、世話するさらに特定のスタッフの連絡先を紹介してくれるということになります。結局、コンサルタントはそのスタッフからイベント参加者、イベントスケジュール、滞在場所などの詳しい内容を入手し、親と本人に伝えることで、この期間の生活を「確保」するわけです。
ペアレンツウィークエンドはその準備のために先生やスタッフもかなり忙しいようです。多くの親を学校に迎え、彼らと先生方の個別ミーティングの設定、スポーツ、演劇イベントの準備やそのあとの食事や歓迎会の段取りなど、先生およびスタッフは通常の学校生活プラスイベント準備となるわけですから、細かなところまで手が回らなくなっても不思議ではありません。
このような時、日本では公平な意味で、学校側に説明責任があると考えますが、英語圏の場合、「親が来られない留学生」という数のうえでマイノリティーとなる人たちへの対応は、現場の生徒(留学生)と直接行うということになります。したがって、先生やスタッフの説明に留学生が「OK」と言えば、それで済んだと彼らは理解するわけです。ところが、現実は、日本人留学生の初年度、多くの場合、わかってもあいまいでも彼らは「OK」と言います。そして、そのあとで、「どうなっているか解らない」ということが、学校側に発信されるのではなくて、日本の親もとに来るわけです。
初年度ゆえ、このようなコミュニケーション不足はしかたのないことです。また、留学生も「わからないことはほっておかない」という理屈は頭でわかっても、行動にまでもってゆけないのも無理のないことです。このような問題は、留学初年度だけで、次年度は英語力、経験ともに、ペアレンツウィークエンドに十分対応できるように、彼らは成長します。