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学校を訪問する理由 その2-「留学生本人と意識の共有」

24日のブログに続きます。
中等教育機関の卒業を目指す留学では、複数年にわたる長い海外生活となります。本人が渡航した時からスタートして、最初の半年くらいが一番不安定な時期と言えます。この時期に本人からもたらされる情報がプラス面のものであることに、越したことはありませんが、マイナスの場合も当然考えられます。その具体的な例をあげます。
① 学校の授業についてゆけない(→英語力の問題)
② 生活の仕方がわからない(→適応性の問題)
③ 人々が不親切(→自らの発信力)
④ 学校が嫌だ(わがまま)
できることならば、このような留学生本人からのマイナス的な情報を日本で受け取りたくないものです。そのために学校訪問が有効な手段となるのですが、それを実行するためには、日本の学校を欠席しなければなりません。また、本人、親、そしてコンサルタントの3名で学校訪問を実行した場合、その費用は120万円~150万円ほどになります。時間とお金をかけても、学校訪問をするだけの価値を見出せるかどうかが問題です。
前述した①から④のネガティブな本人から日本への発信を一つひとつ検証してみると、すべてが「受身」であり、自分からの情報発信がとても少ないことがわかります。初期の留学生の悩みや問題点は、そのほとんどが学校側のスタッフが感知しないところで起こります。すなわち本人のこころの中だけで発生します。そして、本人は対学校に対しては、オーケーと言っているか、あるいはそのようにふるまっているというのが現実です。
学校訪問に行くということは、「学校を見て決める」ことが基本ですが、5-6校の学校を訪問することで、留学する本人がどのように面接や施設案内で対応するかということを見極める重要な機会でもあります。この1週間の間に、留学希望の生徒にも明らかに変化が見られるのです。最初の訪問校では、「挨拶」もまともにできず、戸惑うばかりだった生徒が、最後の学校を訪問するときには、相手の目を見て、笑顔で自己紹介をするようになります。また、英語の聞き取りも、1週間ほどの間に少しずつですがわかるようになります。最終日、空港では、親子だけで、好きな食事を選んでオーダーできるところまで慣れます。
留学を希望する本人の適応性、積極性、自分で物事を判断する自主性や主体性などを、親が学校訪問を通じて確認することも、複数年にわたる長いスパンでの留学を考える上で、私はとても重要なことであると思います。
もし、学校訪問をしたうえで、本人から現状否定の情報がもたらされた場合、「頑張れ」はあまり効果のない言葉と私は思います。本人は頑張り方がわからないのですから。むしろ、「頑張らなくても良い」と私は思います。それよりも、今、あせる必要はなく、英語も話せなくて良く、授業がわからないのも当たり前、そのような状況を受入れ側の先生やスタッフたちは十分に理解していることを伝え、本人のこころのパニック状態を静めてあげることが重要です。そのためにも、「現場を親も見た」という事実が、相互の安心と理解に役立つと思います。

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