留学コンシェルジュ

留学生の柔軟思考 → 経験がないとうこと

留学先の生徒たちと接していると、彼らの頭の柔軟性に
気づかされることが頻繁にあります。
彼らにとっていわゆる「人生」といっても、まだ10代の半ばです。
その経験たるや長年の積みかさねによる重みはありません。
年を経るに従って、この経験がよくも悪しくも作用するわけです。
「こんなことは(私の経験からすると)ありえない」、「これは、
(私の経験上)無理だろう、やめておこう」といった、チャレンジ精神を
阻害するような、打破すべき経験則がそれほどないことは、
彼らの留学後の人生を設計するうえで、かなりのアドバンテージに
なると私は思います。
彼らは「前例」のない人生をスタートします。
与えられた日常スケジュールから完璧に脱して、
何もないところからスタートします。
「できるわけがない」、「まだ早い」、「無理だ」という周囲一般の
先入観にとらわれず、決断し歩み出します。
子どもたちの異文化生活は彼らのその後に、大きな影響を与えます。
その中でも、一番大きなものが可能性の追求というポジティブな姿勢では
ないかと思います。
手厚い保護、小さなときから決められた日課、好むと好まざるとに
かかわらず行われる学習作業、そんな日常が留学生活で一変します。
「今まではこうだった」という経験的言い訳は誰も聞いてくれません。
聞いてくれたとしても、
I am sorry but here is not your home country.
と言われるだけです。しかし、彼らは必ず付け加えます。
I believe you can make it, if you will.
私はif you willという一言がとても好きです。
私たちは、過去のできごとから学び、それを未来に反映させます。
しかし、生活が安定してくると、徐々に新しいことにチャレンジ
しなくなります。そして、安全、楽、便利などリスクの少ない
方向へと生活の舵をきってゆくほうが、安心だからだと思います。
もちろん、良い悪いの問題ではないと思います。
しかし、10半ばでの留学は「楽」、「(精神的に)安心」という選択から
いつも離れたところにいるというのが留学生の現実ではないでしょうか。
いままでの経験則から離れざるを得ず、残っている選択肢は
「チャレンジ」であるとしたら、どうするでしょう。
「やるしかない」という結論にみな進んでゆきます。
私は、子どもたちに「やるしかない」から「できた」という実感を
早くつかんでほしいと思うのです。無理の理屈をならべてほしくありません。
前例のない人生を作っていってほしい。
チャレンジということにおいては、
ネガティブな前例は作る必要もないと思います。

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