留学コンシェルジュ

リーダーシップ教育について3

昨日のブログに続き、リーダーシップの内部的要因について考えてみたいと思います。
日本の学校の場合、どの子がリーダーシップを取れそうで、どの子に何を任せたらやって行けそうと考えられているのではないかと思いますが、留学という環境はその発想を根本的に変える要素を持っています。
リーダーシップが取れそうな生徒でも、取れそうでない生徒でも、留学はできます。留学すれば、年齢にかかわらず新たな環境に適応するために誰でも努力をします。親から離れ、友達は皆無、食生活も違い、言葉が不自由となれば、それで初めから楽しいというわけがありません。
私はこのような環境がリーダーシップ精神を育てる温床となると思います。思うままにゆかない環境、自ら意思を示さなければ誰も助けてくれない環境、当然のことながら、留学当初は孤独、焦燥、不安の中で疑心暗鬼に陥ることでしょう。誰もが人生で大なり小なり遭遇するネガティブなインパクトを子どもたちは留学先で立て続けに食らうわけです。
20歳前後になっての留学であれば、自己も確立し、不安定な環境でどのように対処したら良いかを既に学んでいるから大丈夫とよく言われますが、私は留学は年齢が増せば増すほど、異文化での感動と順応という感覚は低いように思えるのです。それまでの自分の中での常識が邪魔をして、色々なものに触れ合う機会が年齢が増えるにつれて減るからです。
苦労→努力→克服→自信というプロセスは留学でなくとも私たちの日常のなかで起こっていることですが、どれだけの大きな苦労を、どれだけの努力で克服するかは人によって異なります。苦労が大きければ、大きいほどにそれを乗り越えた時の達成感、克服感は大きくなります。留学における苦労の程度は、当然相当に大きなものですが、先生や学校スタッフなどのバックアップのもとに子どもたちはみな逃げることなく克服できるのです。逃げたくても、逃げる場所もありません。
さらには、留学は強制されたものではありません。単身留学ですから、親の仕事の関係でやむを得ず留学したのでもありません。年齢にかかわらず、本人の意思が明確であることも事実です。それゆえに、気に入らないから、帰るというわけにはゆきません。そのくらいの意地があるから、留学が決断できたのですから。
リーダーシップは、目標に向かって皆で力を合わせて達成するその束ね役になる人に必要な考え方といえると思いますが、その中核にあるのは、共感、思いやり、感謝の気持ちといった人に対する理解力ではないかと私は思います。いくら牽引力が物理的、精神的に強くても、ついてくる人がいなければ、リーダーシップは成立しません。
多様な価値観と立場をすんなり認め、それでもぶれずに、迷わずに、目指す方向に進む力は、異文化の中にあって、人をありがたいと思い、生かされている自分に気づくという高度な精神活動を若くして学ぶことのできる環境にあるから、育ってゆきます。
つづく

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