子どもたちの再生 - 均質への抵抗
海外の学校を訪れる度に私は、日本との違いを強烈に感じます。
その反面、そこで出会う人々に日本との共通点もたくさん見出します。
共通点を見出せることがらはおおよそがプラス面に反映し、
私は彼らから元気や、やる気をたくさんもらいます。
第一に英語圏の人々の素直さが私はとても好きです。
彼らは思ったことはストレートに表現しますし、
NOがはっきりとしていることも話を簡単にしてくれます。
第二に彼らのフレンドリーな表現に私は親しみを感じます。
日本の私立学校の中には、授業を訪問者に公開しないところも
あるようですが、英語圏の私立校は、授業体験を
積極的に勧める学校も珍しくありません。
訪問者を案内するのが、スタッフであれば、
どんな教室にも、テストでない限り、入ってゆき
先生や生徒に日本からのビジターを紹介してくれます。
低学年の中学生たちはとても好奇の目で私たちを見つめます。
彼らの態度が私はたいへん面白く、「ハーイ」と声をかけます。
一般的に女子のほうが愛想がよく、社交的です。
第三に教育論になると話が止まりません。
私も同じような傾向があり、良くカウンセリングなどで
留学希望者やその親御さんに、
「ご清聴ありがとうございました」と言います。
さすがに、学校訪問で先生からThank you for listeningとは
言いませんが、お互い教育論となると、時間がすぐにオーバーします。
この傾向は先生のみならず、生徒も同様です。
彼らも学校案内で施設説明が長いのです。
自分の学校を見てほしい、説明させてほしいという気持ちが
伝わってきますが、切るタイミングを探すのが
少し申し訳なく、残念なことがあります。
この三点は「教育」に従事する人にある程度までは
共通する点ではないかと思います。全てではないにしても、
「教育」がそれを受ける人、あるいは受けようとする人にとって
親しみの持てるものであってほしいと思います。
アメリカのボーディングスクールでは、
入学難易度が増せば増すほど、学校自慢も増えますから、
学校訪問時の対応もとてもシステマティックにできています。
違う点で一番先に思いつくのが、英語圏の学校の
ひとクラス人数の少ないことです。
アメリカのボーディングスクールでは、ひとクラス10名程度、
ニュージーランドの私立、公立でも20人から25人ほどです。
アジア圏の国々の特徴かもしれませんが、英語圏に比べると
極端にひとクラスの人数が多いのには、驚かざるを得ません。
それでも、崩壊せずにやって行けるのが、日本の教育の特質かも
知れません。バブル経済は簡単に崩壊しましたが、教育は
経済のようにはドカンと崩壊はしていません。
「学校崩壊、クラス崩壊など大きな社会問題ではないか」という
声が聞こえそうですが、崩壊したから教育が根底から改革された
という事実はないと思います。
つづく