ニュージーランド留学 高1:地理のクラス
留学生が現地の学校で何をどのように勉強しているかを
親が知る機会は意外と少ないものです。
留学生本人が自分の学習科目の詳細について、
親に詳説することはほとんどないと思います。
日本の中高生であれば、親もその教育を受けてきたわけですから、
彼らの学習の内容は想像に難くありませんが、海外となると、
親の好奇心とは裏腹に留学生自身はあまり自分を語りたがりません。
もちろん、ボーディングスクールなどは、成績の結果だけでなく、
先生のコメントも親元に送られますが、
できれば、親としては、本人の口から現地の勉強の印象を聞きたいものです。
ニュージーランドで学ぶyear11、レベル1の留学生の
地理(Geography)の学習内容を知る機会に恵まれましたので、
皆さんにお伝えします。
テーマ:(世界の)若者人口と老齢者人口の比較
・(国別)人口(その年齢構成)のパターン
・なぜ、特定の国の人口構成において若者人口が多くを占めるのか
・なぜ、特定の国に人口構成において老齢人口が多くを占めるのか
・若者人口が多い場合の(国家に対する)効果と影響
・アフリカ、サハラ諸国における老齢者層
・老齢人口が多い場合の(国家に対する)効果と影響
・日本の老齢人口について
ニュージーランドの学校を訪問し、いろいろなクラスを見て回りました。
いずれのクラスも教壇に対峙する生徒の列はありません。
白板に先生の板書はありますが、淡々とそれを写す生徒はいません。
「どのように授業が運営されてゆくのだろう」
地理のクラスの人口をテーマとした課題はあきらかに
リサーチ(調査)であり、生徒自らがいろいろなリソース
(情報資源)を駆使して将来の世界人口がどうなってゆくのか、
人類が生き残ってゆくためには、何を為さねばならないかなど、
自分の調査の結果を出して、それに対する意見を述べます。
その評価は正解、不正解、○×という種類のものではありません。
リサーチペーパーとして、調査の質と量は十分か、
その内容の信ぴょう性、妥当性はどうか、
将来の予測に対する仮説と結論を貫く論理に一貫性があるかなど、
知識の詰め込みとは違う、「考える」勉強を私はそこに見出します。
覚える勉強と考える勉強、どちらが欠けても学習としては
不完全だと思います。そして、そのバランスを取るのは、
生徒なのではないかと私は最近、思うようになりました。
前述のニュージーランドにおける高1の地理の学習に見られるように、
英語圏の学習は答えを自ら作る学習がかなりの割合を
占めると思いますが、地理という学習の性格上、自然の地形、
気候、陸地、山、海などの基本的な性質や傾向などは、
知識として覚えなければならないことも確実にあります。
今まで、完璧に覚えれば覚えるほど、評価の高かった日本の学校に比べ、
自らの考えとその根拠を問う英語圏の勉強へとシフトしてゆく
留学生ですが、そのバランスを保つことができれば、
勉強は「楽しい」とまで感じられるようになれると思います。