留学コンシェルジュ

これからの教育とコンサルタント その2

「留学は義務教育が終了してから」、
「中学校までは日本で教育しないと、国語力が問題」
「自己のアイデンティティーが確立される前の留学は、
無国籍人間を作ることになる」
これらのコメントは留学相談の段階で
おもに保護者の方から聞いたものです。
あるいは、留学を決定されてから、義務教育、日本語力、
自分の文化的アイデンティティーなどについて、
質問を受ける場合もあります。
私は義務教育の定義として、教育を受けなければならない義務から、
教育を提供しなければならない義務というふうに考えています。
義務教育中に留学しても、文科省より罰せられることはありません。
小・中学校留学終了後、資格としては世界の高校に進学できます。
いずれの国においても、その国が認定した教育機関で、
中等教育を受け、終了すればもちろん世界の大学に願書がだせます。
アイデンティティーの確立は、異文化だから曖昧になるのではなく、
家族との関係性において決められてゆくものと
私は確信しています。
日本語力も当然のことながら、活字に接していれば、
わからなくなることはあり得ません。
高校までの留学は、本人がやりたいようにはできないのです。
また、留学した本人も日本以上のわがまま勝手が留学先で
成立しないことは、留学して3カ月もすればわかることです。
国の教育システムとして海外での邦人の義務教育を考えると、
中学校までは教育を提供しなければならないから、文科省は海外の日本人
駐在員の多い場所に、日本人学校(小・中学校)を作っています。
しかし、海外に赴任するすべての日本人家族の子弟に義務教育を
提供するわけにはいきません。
日本と同様に世界に多くのビジネスマンを派遣している
アメリカの場合、国外にアメリカの公立学校はありません。
すべて、インターナショナルスクール、アメリカンスクールといった
私立の学校がアメリカ国外の子供たちの対応を行います。
通いの学校がアジアではほとんどですが、ヨーロッパにおいては、
ボーディングスクールも多々見られます。
海外に赴任する日本のビジネスマンも時代とともに変わります。
これから、海外に出てゆく人たちはより若く、独身、性別に
関係なくなってゆくと思います。
自ら手をあげて、コミットメントを明確にし、行動できる
人が必要、必然とならないのが極めて不自然です。
また、日産のゴーンさんに代表されるように、
外国人のボスと仕事をすることも、当り前となるでしょう。
それが、現代の資本主義、グローバル化の自然な
流れであると思います。
外国企業や外国人を相手に仕事をするのに、
殆どの人が必要なのはまず語学力と言いますが、
私はそうは思いません。
10代の留学生を見てきたから、「語学力」が優先されません。
異文化と付き合う最大の要点は、
相手を知るという好奇心であり、
相手に伝えたいという自分の思いと文化に対するプライドである、
私はそれを信条としています。
それを留学生たちが自力で身につけられるから、
そのプロセスは辛く、苦しいことももちろんありますが、
結局は異文化に感謝し、生かされていることを10代にして
彼らが学んでくれるが故に、私はこの仕事を
いつまでも追求することができます。

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