#2 ボーディングスクール-食事について
日本人の食事感覚からすると、アメリカボーディングスクールの食事は決して好ましいものではありませんでした。ヨーロッパの国々に比べると、アメリカでアメリカ人が生み出した料理というのは、ステーキとハンバーガーくらいとよく言われますが、その通りであり、日本からの留学生もひと昔くらい前までは、学内での食事は美味しくないというのが、通例でした。
グローバル時代を迎え、食の交流や流通がより簡単に行えるようになり、アメリカボーディングスクールの食事情にも変化が起こりました。
その変化をもたらした一つの要因は留学生です。あまりに美味しくない、粗雑、繊細さに欠けるダイニングルームでの食事に生徒からの要求がいくつか挙げられ、それが取り上げられました。ボーディングスクールのなかには、中華や和食を提供するところも出てきました。
美味しい食事を目指すために、今までのキッチン体制が見直され、よりおいしくて質の良い食事を提供してくれる会社が選択されるようになりした。
また、日本からの留学生も必ずしもお米とみそ汁、調味料は醤油という和食でなくても受け入れられるようになってきました。ピザやフライドチキン、パンバーグにパスタなど、洋食が当たり前になった日本の今の世代の人たちは、食のグローバルにそもそも対応できるようになってきています。
ふた昔くらい前は、日本からの留学生は口を揃えるようにして、食事の粗末さを嘆いていましたが、今では、日本からの留学生は、ボーディングスクールの食事をすんなり受け入れられるような状況になってきています。
アメリカの食事は、ボーディングスクールでなくても、日本にくらべて量が圧倒的に多く、繊細さに欠け、大雑把であり、給仕する人も気遣いなど期待できません。
油やチーズを多用した高カロリーなものが多く、野菜もそのまま出てくるなど日本とは、食に対する感性の違いに、少し長めの出張時には閉口させられることもありますが、そのギャップも世代が代わる度にお互いの良いところをうまく組み合わせることで変化していくように思います。
ボーディングスクールの食事、これからも改善が継続されると思います。その鍵を握るのは、シェフではなく、生徒たちからの食に対する意見にあるのではないかと思います。
¥留学生の皆さんには、食への提案も欠かせないのです。