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塾とボーディングスクール その2

英語圏の学校がなぜ、芸術、スポーツなどを大切にするかといえば、
生徒本位に学校運営を考えるからです。
10代の子供たちを親から預かり、いくら親の期待に答えさせるためとはいえ、
学校に缶詰にして猛勉強させることに、子どもたちが魅力を感じるでしょうか。
子どもは学習マシンではありません。知識の生き字引に仕立てても、
それが彼らの将来とうまく結びつかないならば、すぐに消滅してしまいます。
大学に入るまでだからとなだめすかしても、
本来、興味のない分野を徹底して、追及させるためには、
させる側にとてつもない信念と危機感が充満していなければ、
子どもはすぐに変なロジックに気づきます。
さらには、それを権威や権力で封じ込めようとすれば、
若さゆえの暴走が始まりかねません。
余談かもしれませんが、
今でもキャチャー・イン・ザ・ライが世界で100万部も売れている、
その背景には、人々のこころの奥底に、既成概念に反発し、
正直に自分の本音で生きようとする気概があるからだと思います。
余談を終わります。
子どもたちが、楽しく、喜んで、感動して学べるその方法を
ボーディングスクールの先生たちは考えたのだと思います。
その知識とノウハウの蓄積が今のボーディングスクールを作っていると
私には思えます。
ボーディングスクールも時代とともに変化しています。
たとえば、前述のキャッチャー・イン・ザ・ライの著者、サリンジャーは
自らのボーディングスクール体験を小説の素材としましたが、
彼は、ミリタリースクールに在学していました。
そのミリタリースクール、60年代全般には100校を超えていたそうですが、
現在は、20校にも満たない数になりました。
ベトナム戦争あたりから、マーケットの支持を得られなかったからです。
逆にテンスクールズなどは、アイビーリーグ大学群が、
公立高校からも積極的に生徒を取るようになり、
難関大学入学率は以前のようには高くなくとも、
その人気は下がることなく、世界から生徒を集められます。
あるお母さんが言っていましたが、スイスにあるTASIS American Schoolが
校舎の改修(リノベート)に着手したとき、
一番手はアートセンターだったそうです。
TASISに象徴されるこのような生徒本位の学校のあり方は、
ボーディングスクール経営に携わる人たちには、
当たり前なのかもしれません。
つづく

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